SSブログ

【心臓発作について】

死に至る『キラー不整脈』
 突発的な心臓発作のトリガーとなるのが『キラー不整脈』。正常な心臓は、1分間に約50~100回の脈を打ち、1日に10万回ほど拍動する。
 脈拍数が変動したり、リズムが乱れるのを不整脈というが、心臓血管研究所々長の山下武志・医師は、「1分間に50回以下、若しくは100回以上の脈拍がある場合や、リズムに規則性がない場合、不整脈の可能性がある。命に関わる不整脈を『キラー不整脈』といい、2種類ある。一つは『心室細動』、もう一つは『心房細動』だ」、と指摘する。

 心臓には各々2つの心房と心室があり、その心室の筋肉が痙攣する症状を心室細動という。心室細動が起きると血液を全身に送り出せなくなり、結果、心停止状態になって突然死に至る。
 もう一つのキラー不整脈が心房細動で、心房が拡張したまま1分間に400~600回の速さでで震え、血液を心室に送る働きが鈍くなり、血液が固まって血栓ができ易くなる。この血栓が脳に運ばれると、脳の血管が詰まって脳梗塞となる。
 心房は血管に比べて大きいので、できる血栓も比較的大きい。そのため、心房細動によってできた血栓はより太い血管を詰まらせるので、脳梗塞が重篤化し易い。

キラー不整脈の『隠れ前兆』
 キラー不整脈の隠れた前兆として、次の5つが挙げられる。
①.トイレが近い:心房細動が起きると,血液が心房に溜まってしまう。異常に溜まってしまった血液は心臓に負担をかけるため、『心房利尿ホルモン』を分泌して余分な水分を体外に排出しようとする。そのためトイレが近くなり、夜中に何度もトイレに起きてしまう。その様になったら、心房細動のリスクにご用心。

②.靴下の痕が翌朝まで残る.:心房細動を放置すると,密かに心不全が進行する可能性がある。心不全によって体にむくみが生じ、特に分かり易いのが足のスネ。靴下の痕が取れにくくなったら、心房細動の『隠れサイン』と見なそう。

③.昼間に突然の眠気:昼間、意味もなく眠くなるのは『睡眠時無呼吸症候群』の代表的な症状。無呼吸状態のうちに低酸素症を引き起こし、心臓に負担がかかってしまう。昼間の眠気は心房細動のリスク高めている、とも考えられる。

④.やや高めだが… と『健康診断の数値』を放置.:健康診断の数値が正常値より少しだけ高い人は、見た目は何でもないので放置しがち。でも実は、こういう人ほど心臓に負担がかかっており、心室細動を起こすケースがある。

⑤.眉間に皺が寄り易い:今年8月に開かれた欧州心臓病学会で、「眉間の皺が深い人は、ない人に比べ、心臓病で死亡するリスクが10倍高い」、との研究結果が発表された。当学会では、「皺の形成と動脈硬化が相関する」、との仮説が唱えられたが、更なる研究が待たれる。

強い心臓をつくる食品.
 強い心臓をつくる食品として、オリーブオイル・ほうれん草・バナナ・アボガド・青魚などが挙げられる。詳細は、「週刊ポスト」当該号の『強い心臓をつくる食品一覧』を参照されたい。


★「週刊ポスト」(10・5号)『心臓発作 危機は突然襲ってくる!

nice!(0)  コメント(0) 

【「アルツハイマー」の根本治療法】

アルツハイマー型認知症.
 2025年になると、認知症の患者数が700万人になると言われている。
 認知症の8割を占めるのが、アルツハイマー型認知症。(残りは、脳血管性認知症と、レビー小体型認知症)
 アルツハイマー型認知症(以下「アルツハイマー」と略)とは、タンパク質の老廃物であるアミロイドβが、脳内に蓄積される事によって起こる認知症。

アルツハイマーと糖尿病.
 最近、糖尿病と深い関係にあるインスリンが、アルツハイマーの発症と密接に関わっている事が分かってきた。糖尿病患者がアルツハイマーを発症するリスクは、そうでない人の2倍以上。
 インスリンは、血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれたり、エネルギーとして消費されたり、蓄えらりたりするのを促し、その結果、血糖値が下がる。そのインスリン分泌に障害が起きて血糖値が上がる、というのが糖尿病。
 インスリンは、記憶を司る脳の海馬にエネルギーとなるブドウ糖を送り込む働きがある。
 しかし、インスリン分泌に障害が起きると、ブドウ糖が海馬に届かなくなり、結果、記憶力が低下してしまう。

 糖尿病になると、インスリン分解酵素の活性が低下する。インスリン分解酵素は、アミロイドβ(アルツハイマーの原因物質)も分解する。
 つまり、糖尿病になると、アミロイドβの分解ができなくなり、アルツハイマーの発症に拍車がかかる、という訳だ。

アルツハイマーは脳の糖尿病.
 広島大学の鬼頭昭三・名誉教授は、『最善のアルツハイマー治療薬』として『経鼻インスリン治療薬』を挙げている。
 鬼頭教授によれば、経鼻インスリン治療薬を鼻から吸引すると、鼻静脈叢や嗅皮質を介し、脳内にインスリンが効率よく取り込まれる。アメリカでは、既にその薬は発売されているが、日本では、未だ認められていない。
 脳とインスリンを巡る研究は他にもあり、東北大学・脳科学研究センターの福永浩司・教授は、「2011年に認可されたアルツハイマー治療薬のメマンチンが、脳インスリン・シグナルを改善するのを発見した。メマンチンは、インスリンを増やす糖尿病治療薬と同じ作用があり、それが脳に働いてアルツハイマーを改善した。この研究により、アルツハイマーは脳の糖尿病である事が実証された」

アルツハイマー検診に、画期的な血液検査.
 現在の一般的な健康診断では、アルツハイマーの発症リスクは判断できない。
 先月8月7日、島津製作所が興味深い分析技術を発表した。
 島津製作所では、ノーベル賞受賞者の田中耕一さんらが開発した質量分析技術を使い、血中のアミロイドβ量を正確に測れる血液検査技術を完成させた。
 血中のアミロイドβ量から、アルツハイマーの発症リスクを正確に予測できるようになれば、アルツハイマーの予防も可能になるだろう。
 血液検査で早めにリスクを把握して発症を防ぐ、というのが今後の潮流となりそうだ。
 アミロイドβは、アルツハイマー発症の20年前から沈着が始まるので、仮に血液検査で陽性になったとしても、対策を立てる時間的余裕は十分にある。

「超音波」で、根治の可能性あり.
 アルツハイマーや軽度認知障害と診断されてからの治療法も、日々進歩している。
 中でも注目を集めているのが、東北大学の下川宏明・教授率いる研究チームが、今年7月から臨床試験を開始した「超音波治療法」である。
 下川教授によると、「マウスの脳に超音波を照射したところ、脳内の血流の改善と同時に、アミロイドβの蓄積の顕著な減少が確認できた。世界で初めて、アルツハイマーの根治治療法の可能性が見えてきた。安全性・有効性の最終確認ができたら、国に保険適用の申請を行う予定で、5年以内に実用化できれば、と考えている」、とのこと。
 そう言えば、腕時計の金属バンドや眼鏡の細かな部分の汚れを落とす、「超音波洗浄」っていうのがあったっけ。

脳を若く保つコツ.
 冒頭に触れた通り、糖尿病患者がアルツハイマーを発症するリスクは、そうでない人の2倍以上。
 これは、糖尿病の予防に励めば、アルツハイマーの予防にもなる事を示している。。
 「一日30分の有酸素運動を、二日に1回行うと、糖尿病とアルツハイマーの予防になる事が分かっている」、と東京医科歯科大学・認知症研究部門の朝田 隆・特任教授は語る。
 アルツハイマーの予防として「脳トレ」もあるが、朝田教授のお勧めは、アメリカのオンラインゲーム「ブレインHQ」。
 アメリカ国立衛生研究所が、65歳以上の約2,800人に行った調査によると、「ブレインHQ」をするグループは、何もしないグループに比べ、認知症を発症するリスクが48%も低下した。
 因みに日本では、コーヒーメーカー「ネスレ」のサイトで、ネスレ・ウェルネスクラブの会員登録を行うと、月額1,080円(税込み)で日本語版の「ブレインHQ」を利用できる。

 「麻雀などの頭脳ゲームにも、認知症予防効果がある」、と脳科学者である諏訪東京理科大学の篠原菊紀・教授は語る。
 麻雀などのギャンブルに興じるグループの方が、しないグループに比べて脳の働きが低下しない。“わくわく・どきどき”するとアドレナリンが分泌され、記憶障害を抑制する効果があるためだと考えられる。
 「“わくわく・どきどき”しながら日々を過ごすのは、脳を若く保つ重要なコツではないか」、と篠原教授は語る。

 年齢を経ても、心豊かに過ごすことができれば、有吉佐和子著『恍惚の人』で描かれているような絶望を、回避できるかも知れない。


★「週刊新潮」(9/27号)『根本治療が見えてきた「アルツハイマー」』、より.

nice!(0)  コメント(0) 

【米中貿易戦争、中国の勝ち目なし】

 今年春に始まった米中貿易戦争では、既に中国経済にダメージが出始めている。「中国に勝ち目はない、早く失敗を認めて事態を収束すべきだ」、との厳しい見方が中国国内で燻っている。

 中国商務省は今年3月、米国による鉄鋼・アルミ製品への追加関税措置への報復として、128品目の米国製品に対して追加関税を課す、と発表して問題がエスカレートした。
 しかし、対米輸出に依存している中国経済が、米国と全面対決することは「無謀な戦い」、と見る投資家も少なくなく、中国の金融マーケットは敏感に反応した。
 株式市場では3,300ポイント前後だった上海総合指数が、報復措置を講じた3月末から下落し、8月中旬には2,600ポイントと約20%も下げた。
 人民元の為替相場も対ドルで10%近く急落した。中国は近年、経済成長率が前年比6~7%で推移しているが、為替相場が下落すれば輸入コストが大幅アップするなど、成長率を押し下げる要因になってしまう。
 広東省や上海周辺では、米国からの発注激減に伴い、生産停止に追い込まれる工場も出てきた。
 中国は報復措置として、米国産大豆にも高い関税を課したが、中国国内の家畜飼料は米国産大豆に依存しているため、飼料のコストが増大してしまった。そのため、北京など都市部の豚肉の価格が高騰し、市民生活にも大きな影響が出始めている。

 一方で、中国が追加関税を課す米国製品は、農業分野に集中していることもあり、貿易戦争が米国経済に与える影響は、今のところ限定的。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、むしろ5%前後上昇している。
 中国の著名な経済評論家である賀江兵氏は、米中貿易戦争について、「勝ち目がない」と強調した上で、「今の状態が今後2カ月以上も続くと、中国の経済は壊滅状態に突入する」と指摘し、中国当局に早期解決を訴えている。

 「中華民族の偉大なる復興」、とのスローガンを掲げ、経済規模で米国を追い越すことを夢みる習政権にとって、打撃は大きい。


★産経ニュース『【米中貿易戦争】中国の経済学者「勝ち目なく壊滅的」 金融市場は「無謀な戦い」』(2018.8.19)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/world/news/180819/wor1808190011-n1.html

nice!(1)  コメント(0) 

【東京裁判・判決に反対した、オランダのレーリンク判事】

判決に異を唱える.
 東京裁判(極東国際軍事裁判)で、東条英機・元首相ら7被告のの死刑を含め、25被告全員(死亡や精神障害で免責された3名を除く)の有罪判決が下ってから、今秋で70年を迎える。
 この判決に対し、インドのパール判事と共に判決に反対した、オランダのベルト・レーリンク判事をご存知だろうか。
 氏は、戦勝国オランダの裁判官として東京裁判に加わったが、「事後法で断罪すべきではない」と確信する一方、有罪判決を急ぐ同僚や、本国オランダ政府との板挟みに苦しんだ。

 冒頭に挙げた全被告有罪の判決は、米・英・ソ連・中国などの「多数派」判事が執筆した。
 レーリンクはこの判決に反対し、「平和に対する罪」(侵略の罪)は事後法であり、「侵略戦争の共同謀議」により広田弘毅・元首相は死刑、との判決は不適切だとした。
 また、広田、重光葵、東郷茂徳ら3人の外相経験者、木戸幸一・元内相らの無罪を主張した。

 東京裁判といえば日本では、「全員無罪」を主張したインドのパールが持て囃されている。
 反植民地主義という、政治色の強いインドのパールに比べ、レーリンクは国家指導者の戦争責任を、当時の国際法でどこまで裁けるかに焦点を当てた。
 東京裁判では、レーリンク、パール、フランスのベルナールの3判事が、「多数派」判決に反対する意見書を提出し、米英主導の「勝者の裁き」の正当性を揺るがした。
 西洋の植民地大国オランダのレーリンクが、何故、他の戦勝国判事と対決し乍らも、反対意見を貫いたのだろうか。

パール判事との友情.
 東京裁判が開廷した1946年3月から半年も経たない内、レーリンクは「平和に対する罪」による断罪に反対を唱え、同僚判事との間で摩擦を起こした。
 レーリンクは、1928年の「パリ不戦条約」は未だ理念でしかなく、(大東亜戦争)開戦当時、実定法による犯罪ではなかった、と考えた。

 既に独自の判決文に取り組んでいた、パール判事の影響もあった。
 当時、レーリンクは日記に次の様に記していた。
 「私は多数派に沿って、絞首刑を宣告できないという結論に達した。もし、考えがこのまま変わらなければ、独自の意見を出そう、パール判事がやっている様に。彼とは意見を共有している。私はこの考えに興奮し、一晩を過ごした。」
 なお、パールは当時、「平和に対する罪」、「人道に対する罪」(民間人虐殺などの組織的犯罪)は何れも事後法だとして、全員無罪の判決文を用意していた。
 パールはレーリンクより20歳も年上だが、、2人は仲が良かった。
 1948年10月、判決の約1ヶ月前、独自の意見提出を決めたレーリンクに、パールは次の様に激励した。「あなたが決意したと知り、大変嬉しい。私は正義のために必要なことだと思ってきた。我々は信念を犠牲にはしない」。2人には強い友情が芽生えた。

日本への想い.
 レーリンクは、判事団の誰よりも広く日本を探訪し、戦争で荒廃した日本を理解しようと、ドイツ文学者の竹山道雄や仏教学者の鈴木大拙ら、日本の知識人達との交流を深めた。
 日本人との交流の背景には、かつての「敵国人」である自分を、温かく迎え入れてくれた日本人に対する驚きがあった。
 レーリンクは戦時中、オランダを占領していたナチス・ドイツを酷く憎んでおり、バイオリニストでもあったレーリンクを訪ねて来た、音楽好きのドイツ軍将校を追い返した程である。
 だからレーリンクは、敗戦間もない日本に行けば、「今度は自分が同じ目に遭う」と覚悟していた。ところが、実際は全く逆で、日本の何処へ行っても笑顔で迎えられた。
 1946年7月、富士山の山小屋で雑魚寝した時の日記に、「誰かが私を跨いでも気にならない。オランダでは警戒心から、道端で寝転がる事などなかったろうが、此処ではそんな気持ちなど無くなる」、とある。

 レーリンクが無罪を主張した東郷茂徳・元外相は、禁固20年の判決を受け、服役中の1956年に亡くなった。
 東郷氏の回想録が、氏の死後、ユダヤ系ドイツ人だったエディ夫人からレーリンクに贈られて来た。回想録の表紙の裏に、「レーリンク判事へ、永遠の感謝を込めて」、とエディ夫人の手書きの英文メッセージが添えられていた。そのメッセージを目にした途端、レーリンクは感動に震え、涙ぐんだという。
(敬称略)

* * *

 東京裁判に於けるインドのパール判事は存じていたが、オランダ人のレーリンク判事のことは初めて知った、感動。


★「正論」10月号『絞首刑は宣告できない・・・ 東京裁判々決に反対した判事レーリンクの日記・書簡』(産経新聞パリ支局長・三井美奈氏)、より.

nice!(0)  コメント(0) 

【中国のマネーパワーは『張り子の虎』】

大盤振る舞い.
 中国の習近平・国家主席は、北京で開催された『中国アフリカ協力フォーラム』首脳会合で、「今後3年間で600億ドル(約6兆6,000億円)をアフリカ向けに拠出する」、との大盤振る舞いをした。
 大盤振る舞いをしたものの、「本当は火の車なのに、よく言うね」、とは当記事担当の田村秀男・記者。

中国のマネーパワーは『張り子の虎』
 このフォーラムは、中国の新シルクロード経済圏構想『一帯一路』に関連するもので、『一帯一路』は中国のマネーパワーによって推進される。が、騙されてはいけない。中国のマネーパワーは『張り子の虎』同然なのだ。ついで乍ら、『眠れる獅子』ってな言い回しもあったっけ。
 当然、中国の対外資産は外貨が流入しないと増えない。そこで、中国は貿易黒字を拡大するため、外国からの対中投資の呼び込みに躍起になっている。
 ところが現実には、2015年以降になると資本逃避が激しくなり、最近でも3,000億ドル前後の資本が、当局の規制をかいくぐって逃げ出している。
 そこで習政権が頼るのは、債券発行や銀行融資による外国からの資金調達だ。対外金融債務はこうして急増し続け、外国からの対中投資と合わせた対外負債を膨らませている。主要な対外資産から負債を差し引いた純資産は今やゼロ。今後は『債務超過』に陥る可能性すらある。

米中貿易戦争.
 米トランプ政権は、年間で3,800億ドルの対中貿易赤字を抱えており、少なくとも、その内の2,000億ドル分を一挙に削減しようと、中国からの輸入に対して矢継ぎ早に制裁関税をかけている。
 中国の海外との全取引によって手元に残るカネ(経常収支)は縮小を続けており、今年は6月までで683億ドル、昨年は年間1,650億ドルだった。対米黒字が2,000億ドル減れば、中国の対外収支は巨額の赤字に転落してしまう。しかも、外国からの投資も大きく減りそうだ。米中貿易戦争のため、対中投資が割に合わなくなる恐れがあるからだ。

したたかな『からくり』
 習氏が一帯一路・圏などへの投融資を増やそうとするなら、外国からの借り入れに頼るしかない。だがそうした場合、高利貸しか、サラ金並みの金利でないと自身の負債が膨張してしまう。現に、中国による一帯一路・圏向けの借款金利は、国際標準金利の数倍に達していると見られる。
 そればかりではない。習氏は外貨が手元になくても、資金を拠出する『からくり』を用意している。その『からくり』とは次の様なもの。
 港湾や高速道路、鉄道などインフラを融資付きで受注する。受注者は中国の国有企業、それに融資するのは中国の国有商業銀行、従事する労働者の大半は中国人である。とすると、受注側の資金決裁は全て『人民元』で済む。そして、負債は全て現地政府に押し付けられ、しかも全額外貨建て。
 こうして『一帯一路への支援』を名目に、外貨を獲得するという仕掛けなのだ。

 安倍晋三・政権も経団連も、「一帯一路に協力する」とは甘すぎる。


★産経ニュース『【田村秀男のお金は知っている】中国のマネーパワーは「張り子の虎」 「一帯一路への支援」の裏にある真の狙いとは?』(産経新聞特別記者・田村秀男氏)、(2018.9.8)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/premium/news/180908/prm1809080006-n1.html

nice!(0)  コメント(0) 

【北海道・大停電の黒幕】

地震で、全道ブラックアウト.
 9月6日深夜3時8分、北海道を襲った最大震度7の地震は、道内全域をブラックアウト(停電)に陥れた。
 295万戸が停電し、発生から丸1日たっても約131万戸分しか電源は回復しなかった。完全復旧には1週間以上かかる見通し。

 道内全域の長時間に亘るブラックアウトの原因は、震源地に近い北海道電力・苫東厚真(とまとう・あつま)火力発電所(厚真町、165万キロワット)の運転停止にある。
 この火力発電所だけで道内の電力の約半分を担っていた。この発電停止の結果、電力網全体で需給バランスが一気に不安定化し、道内の他の火力発電所が次々と停止し、道内全域停電という事態に陥った。
 この様な事態を招いた原因は、強大な権限を背景に、科学的判断を避け続けている原子力規制行政にある。

北海道・泊原発.
 北海道・泊原子力発電所(泊村)の3基ある原子炉の総出力は207万キロワット。苫東厚真火力発電所の出力を補って余りある。しかし、泊原発は3・11後、一旦フル稼働運転をしたものの、2012年5月5日に定期点検に入り、今日に至るまで停止したままだ。
 今回の地震で泊村の最大震度は2であった。この程度の揺れでは、泊原発は運転できていた筈で、もし泊原発が稼働していたならば、今回の「全道大停電」を回避できた可能性が高い。

原子力規制委員会.
 3・11から7年以上も経っているにも拘わらず、未だに泊原発が再稼働していないのは何故か。そこには、東日本大震災当時の首相・菅直人氏の深謀がある。
 2011年5月、菅氏は首相の強権を発動し、首都圏に最も近い静岡県・中部電力浜岡原発の停止を強いた。
 続いて菅氏は、原発の再稼働を困難とすべく、2012年9月、それまであった原子力安全・保安院を潰し、原子力規制委員会を立ち上げた。
 「脱原発装置」とも揶揄される原子力規制委員会。その委員長に就いた田中俊一氏は、2013年3月19日、「新規制施行に向けた基本的な方針」(俗称「田中私案」)なるものを委員会に提示した。
 この文書は暴論極まりない。つまり、文書を作成した責任者の明記がなく、何ら法的根拠に基づかない、唯の私案だったのだ。
 この私案には「奸計」が巡らされていた。その最たるものが、国内すべての原子力発電所を一旦停止し、運転再開の前提条件となる安全審査を、異様に厳しい規制基準の下でゼロからやり直すというものだった。

泊原発・再稼働の障害.
 一部の原発が再稼動している中、泊原発は再稼働の見通しが立っていない。
 その最大の理由は審査の基準とすべき、地震動が中々策定されないことにある。
 基準地震動の策定の際、これまで必ず問題にされてきたのが「活断層の有無」である。北海道電力の泊原発(PWR=加圧水型軽水炉)は他の電力各社のPWRと歩調を合わせるかのように新規制基準に合わせるべく、追加的な安全対策を進めてきた。
 ところが2017年4月、規制委員会から泊原発のある積丹半島西岸の海底に「活断層の存在を否定できない」、という判断が下された。
 このことによって、泊原発の再稼働は全く先が見通せなくなり、窮地に追い込まれた。
 それは何故か。規制委は北海道電力に、「活断層がないことを証明してみよ」と迫っているのだ。これは、所謂「悪魔の証明」であり、立証不可能だ。
 つまり、規制委は規制権限を盾に、非合理極まりない非科学的なことを事業者に強いているのだ。事業者はその対応に苦慮し、多大な労力と時間を費やすことを強いられているのである。

 規制委発足から間もなく6年。原子力規制委は一体、何時になれば科学的・技術的リテラシーに欠ける集団から脱皮できるのであろうか。さもなくば、全道大停電のような悲劇が再び起きるかも知れない。言い換えれば、原子力規制自体が「社会リスクを生む」という国民に対する背信行為を、もうこれ以上許してはならない。

* * *

 東工大出身の菅 直人・元首相は当時、東工大教授の助言を聞くなどして迷判断を下し、世間の顰蹙を買った。
 今度は、同じ東工大の学者から辛辣な批判。東工大万歳 !


★iRONNA(オピニオン・サイト)『北海道地震、未曽有の大停電は菅直人にも責任がある』(澤田哲生・東京工業大学先導原子力研究所・助教)、(2018/09/07)、より.
★上記へのリンク https://ironna.jp/article/10652

nice!(0)  コメント(0) 

【「禿げ山・洪水問題」のでっち上げ】

 北朝鮮が金日成(キム・イルソン)主席の存命中に行った、耕地拡大のための大規模な森林伐採を、朝鮮半島統治時代に「日本が行った略奪行為」と断じ、日本に弁済を要求している。

 平壌放送が先月8月22日、「日本が朝鮮の山を禿げ山にした。日帝による大々的な山林伐採が我が国を洪水地帯にし、人民の生命・財産を随時脅かす結果をもたらした」、と主張。
 そして、「我が人民は、日本の山林資源略奪の犯罪行為を徹底的に清算し、その代価を受け取らずにはいられない」、などと訴えた。

 金主席は1970年代、耕地拡大で農業生産を上げるため、段々畑造りを指示した。そこで人民は、山裾や斜面を切り崩し、禿げ山にトウモロコシ畑を造った。しかし1985年以降、土留め無しの杜撰な開墾だったために斜面が崩壊し、土砂崩れが続発した。
 耕地の無闇な拡張は、水害や木材不足、生産性の低下をもたらした。これらの失敗は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の農学者で、北朝鮮の元山(ウォンサン)農業大学客員講師を務めた李佑泓(リ・ユホン)氏が明らかにしている。
 乱伐と山林放置による土砂崩れは、実地検分した金主席自身が、「水害の頻発と拡大を招く」との懸念を示した。
 しかし、現在の北朝鮮は金日成時代の失政を省みず、日本に責任を転嫁。将来、日朝国交正常化交渉が再開された場合、不当な要求が出る可能性がある。

* * *

 日本は、北朝鮮に莫大な資金援助をする条件として、「拉致問題を解決し、日朝間の正式な国交が樹立した時」を挙げている。
 莫大な資金援助は欲しいが、「拉致問題は解決済み」としている北朝鮮は、その資金援助が得られない。
 そこで新たに「禿げ山・洪水問題」を捏ち上げ、「莫大な資金援助」の代わりとして、「莫大な賠償金」を狙っているのかも
 この度の新たな捏ち上げは、視点を変えてみるに、「拉致問題は解決済みであり、交渉する気などない」、との北朝鮮の意志表示か。


★産経ニュース『はげ山と洪水は日本の犯罪? 北朝鮮が金日成時代の失政を責任転嫁 不当な弁済要求も』(2018.8.25)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/world/news/180825/wor1808250015-n1.html

nice!(0)  コメント(0) 

【「チキンラーメン」、還暦】

「チキンラーメン」.
 日清食品の創業者、故・安藤百福(ももふく)氏が発明した、即席麺の元祖「チキンラーメン」が先月8月25日、誕生60年(還暦)を迎えた。
 国民食として誕生した「チキンラーメン」は、現在、世界で年間約1千億食が消費される「世界食」にまで成長した。

 チキンラーメンは、戦後の梅田でラーメン屋台の行列を目の当たりにした百福氏が、「手軽に食べられるラーメンを作りたい」、と考えたのが切っ掛けで誕生し、60年前の昭和33年8月25日に販売を開始した。
 熱湯を掛け、たった3分待つだけで食べられるチキンラーメンは、「魔法のラーメン」と呼ばれ、爆発的にヒット。常温で長期保存できるため、当時広がりつつあったスーパーマーケットを通じ、全国に普及した。

即席麺の未来展望.
 百福氏は開発時、「美味しい、安全安心、簡便、長期保存、安価」の5原則を掲げた。基本の味付けは変えず、平成16年度には累計50億食を突破し、今でも多くの人々に親しまれている。
 日清食品は昭和46年、米国人が即席麺を紙コップに入れて食べる姿に発想を得て、「カップヌードル」を開発した。これは世界的に大ヒットし、触発された国内外のメーカーが次々と即席麺市場に参入した。
 「世界ラーメン協会」(会長:百福氏の次男・安藤宏基(こうき)日清食品ホールディングス社長)の推計では、平成25年に世界で消費された即席麺は、袋麺とカップ麺を合わせて1,059億食に達した。

 チキンラーメンの“還暦”を記念し、大阪市で先月8月22~23日、6年ぶりとなる第9回「世界ラーメンサミット」が開催された。
 今回のサミットでは、生誕100年を迎える事となる40年後も、即席麺が人々に幸福をもたらす食べ物であり続けるための議論が交わされた。百福氏の「チキンラーメン開発5原則(上記参照)に加え、バランスの取れた食を提供する「栄養」、プラスチック製品への規制が世界的に厳しくなるなか、カップ麺の容器を微生物に分解される素材へと置き換えを進める「環境保全」の2項目を追加した「大阪宣言」を採択した。
 また「世界ラーメン協会」の安藤会長は、チキンラーメンが切り開いた即席麺の歴史を引き継いでいくため、「地球環境に最も優しく、安全で安心して美味しく食べられる食品、として在り続けるため努力する」、との決意を新たにした。

* * *

 丼にチキンラーメン、それに生卵を割り入れて熱湯を注ぎ、保温のため、丼に炊飯釜の重たい木蓋を乗せて封をする。3分経ってから蓋を開けると、芳ばしい香りが辺りに漂い、当時は貴重だった生卵が、ラーメンの上で半熟になっており、見た目も美味しい。当時、最先端のご馳走だった。
 あれから60年経った現在も、チキンラーメンは我が家の常備食。


★産経ニュース『「世界食」即席麺の元祖、チキンラーメン誕生60年 健康・環境保全をうたい更なる進化へ』(2018.8.25)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/west/news/180825/wst1808250039-n1.html

nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。