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【商業捕鯨、再開なるか】

商業捕鯨の氷河期、到来.
 1948年、クジラ資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展を目的に、国際捕鯨委員会(IWC)が設立された。日本は1951年に加盟。
 1982年、IWCは商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)を決定した。「クジラ資源の科学的知見に不確実性がある」、との理由で。
 1987年、クジラ資源評価の裏付けとなるデータを収集するため、日本は南極海で調査捕鯨を開始した。クジラが食べているものを把握したり、クジラの内臓組織から、環境汚染の影響を調べたりもした。
 その結果、南極海でのクロミンククジラの繁殖集団の分布やナガスクジラの資源回復、北西太平洋では、日本人がよく食べるサバ・サンマ・カツオなどを、クジラが大量に消費している実態などが分かってきた。
 2014年、国際司法裁判所から命じられて調査捕鯨を中断したが、同年日本は、調査で得られたデータを示し、北西太平洋のミンククジラについて商業捕鯨17頭の漁獲枠設定を提案したものの否決された。反対した国々からは、科学的・法的に明確な反対理由は示されなかった。
 「鯨は知的動物であり、それを殺して食べるなんて、とんでもない ! 」、なんなんだろうか。ならば牛は、知的でないのだろうか?
 動物は、他の生き物(動・植物)の命を戴いて生命を維持している。だから西洋には、戴いた生き物に感謝の念を捧げる「謝肉祭」があるのだろう。

 反対にもめげない日本は、2015年、捕獲頭数を削減するなどして調査捕鯨を再開した。なお、北西太平洋では、1994年から調査捕鯨は継続されている。
 前回2016年のIWC総会で、日本は反対の根本的理由が科学的な根拠ではなく、クジラや捕鯨に対する政策的立場の違いにあると指摘。今年2018年の総会でも科学的・法的な議論を主導したい考えだ。

再開に向け、「千載一遇のチャンス」到来.
 ところで今年の日本には、悲願の商業捕鯨の再開に向け、3つの好機が重なる「千載一遇のチャンス」が巡ってくる。
①.1つ目の好機は、今年9月に開催される国際捕鯨委員会(IWC)の総会で、日本が47年ぶりに議長国を務めること。

②.2つ目の好機は、今年のIWC総会では先住民の生存に必要な捕獲枠が議論されることだ。
 これまでIWCは、商業捕鯨の一時停止後も例外的に、イヌイット(米国アラスカ)やチュクチ原住民(ロシア)などに捕獲枠を認めてきた。
 日本でも、北海道の網走・宮城県の鮎川・千葉県の和田・和歌山県の太地、それぞれ各地の沿岸で続けてきた小型鯨の捕獲を、先住民の生存捕鯨と同等に扱うよう主張してきた。先住民の捕獲枠が議論される今年のIWC総会で、日本の沿岸小型捕鯨のあり方も議論される可能性が出てきた。

③.3つ目の好機は、国内の法整備が進んだことが挙げられる。
 昨年6月に施行された「鯨類科学調査実施法」には、調査捕鯨の継続的な実施を国の責務と定め、実施体制の整備や妨害行為への対応、財政上の措置が明記された。
 近年は「グリーンピース」や「シー・シェパード」など、反捕鯨団体による日本の調査捕鯨への過激な妨害活動が問題になっている。同法はこうした妨害に屈せず、クジラ資源の持続的な利用に向けた調査を続けるために施行された。

 斎藤健・農水相は、3つの好機が重なる今年のIWC総会について、「商業捕鯨再開に向けた節目の会合となるよう、政府一丸となって、あらゆる可能性を追求したい」、と強調している。


★産経ニュース『【経済インサイド】商業捕鯨の再開なるか 3つの好機重なる「千載一遇のチャンス」』(2018.7.3)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/premium/news/180703/prm1807030001-n1.html

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