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【米中冷戦は、中国の負け】

 戦略論研究の権威で米歴史学者でもあるエドワード・ルトワック氏は、米国を中心とする国々と、中国との間で起きている貿易や知的財産権を巡る争いを『冷戦』と位置づけ、中国が主要国の先端技術を盗むなどの行為を止め、かつて中国が掲げていた『平和的台頭』路線に回帰しない限り、長期に亘る戦いの末、中国の現体制崩壊という結果を迎えると予測。

 ルトワック氏はこの冷戦の本質を、『ランドパワー』(陸上勢力)であった中国が、『シーパワー』(海洋勢力)を拡大した結果、米国や周辺諸国と衝突する『地政学上の争い』、経済・貿易などを巡る『地経学上の争い』、更には『先端技術を巡る争い』になると指摘。
 特に先端技術分野では、これまで中国は、米欧などの先端技術を好き勝手に盗んできたとした上で、トランプ政権が今年10月、米航空産業へのスパイ行為に関与した疑いのある中国情報部員をベルギー当局の協力で逮捕する等、米中全面戦争の火蓋が切られた点を強調。

 一方、中国が南シナ海の軍事拠点化を進めている問題では、トランプ政権が積極的に推進する『航行の自由作戦』により、中国による主権の主張は全面否定され、中国は面目を潰されたと強調。中国の軍事拠点については、無防備な前哨基地に過ぎず、軍事衝突になれば5分で吹き飛ばせると豪語。

 またルトワック氏は、中国の覇権的台頭を受け、2008年以降、米国・日本・オーストラリア・ベトナム・インドなどの国々が、自然発生的かつ必然的な『同盟』を形成するに至ったと指摘し、これらの国々を総合すれば、人口・経済力・技術力で中国を上回っており、中国の封じ込めは難しくないとしている。
 更にルトワック氏は、これらの国々が中国に対抗するために能力向上を図る必要があり、日本はインドネシアの群島防衛のために飛行艇を提供したり、モンゴルに装甲戦闘車を供与するなど、同盟諸国の防衛力強化のため、武器を積極的に輸出すべきだと提言。
 また、中国が強大になり過ぎた場合に備え、日本は中国を牽制するため、ロシアとの関係を維持すべきだ、としている。
 これらの国々を向こうに回して中国が勝てる可能性は一切ないと強調し、中国は国際法を順守して他国を脅かすのを止め、体制存続のため『平和的台頭』を希求すべきだ、と訴えている。

●追い詰められつつある、中国の動向に注目したい。

■エドワード・ルトワック氏
 1942年、ルーマニア生まれ。ロンドン大経済政治学院卒。1972年に米国に移り、1975年に米ジョンズ・ホプキンス大で博士号を取得。国防長官室や国家安全保障会議などでコンサルタントを務め、現在は政策研究機関『戦略国際問題研究所』の上級顧問。近著は『日本4・0』(文春新書、奥山真司訳)。

★産経ニュース『「米中冷戦は中国が負ける」 米歴史学者ルトワック氏』(2018.12.28)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/world/news/181228/wor1812280022-n1.html

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