【ウナギの完全養殖】
ウナギの養殖は依然、天然のシラスウナギに依存している。
孵化した幼生がシラスウナギとなるまでの給餌に問題があったのだ。
この難関突破への明るい見通しが、水産技術研究所・教育機構のシンポジウムで発表された。
ウナギの幼生は意外にも、ニワトリの卵の黄身で順調に育った。ウナギの完全養殖実用化への道が開けた感がする。
ウナギの幼生はレプトセファルスといい、フィリピン東方のマリアナ諸島付近で孵化した幼生が、黒潮などの海流に運ばれて日本列島にやって来る。
長旅を終えると爪楊枝(つまようじ)サイズのシラスウナギに変身し、成魚への道を歩むのだが、幼生期に何を食べているのか分からなかった。
サメの卵で突破口.
長年の研究を経て、深海に棲むアブラツノザメの卵を用いた人工飼料で、シラスウナギにまで育てられるようになった(2002年)。その8年後、天然資源に頼らない待望の完全養殖が成功し、ニュースになった
鶏卵での新展開.
だが、アブラツノザメは資源量に限りがあるので、安定的に使える原料をベースにした新たな飼料の開発が必要だった。
そうして辿り着いたのが、ニワトリの卵黄だった。
先の水産技術研究所・養殖部門の古板博文氏によると、新飼料には脱脂粉乳・カゼイン・酵素魚粉・大豆ペプチド・タウリン・ビタミン・魚油も配合されている。2017年には、サメの卵と変わらない成長が確認され、現在の幼生の飼育は、鶏卵の飼料で行われているとの事。
幼生期の短縮へ.
幼生の飼育には手間とコストがかかる。事業化、つまり安価なシラスウナギを大量に供給するためには、この期間の短縮が必要だ。
幼生期の短縮には、飼料の更なる工夫だけでなく、品種改良も要る。
同部門の野村和晴氏によると、交配研究の結果、シラスウナギになるまでの日数などは、遺伝が関係しており、幼生期が短い個体を選び出して交配を繰り返す事で、幼少期を短縮する可能性を探っている段階だという。
幼生も健康優良.
完全養殖の事業化には健康な幼生の量産が必要だ。
同部門の風藤行紀氏によると、遺伝子工学を使ってチャイニーズハムスターの卵巣由来の細胞の利用に行き着いた、というから苦労の程が偲ばれる。
産卵回遊の解明へ.
マリアナ諸島近海での繁殖に向かう親魚の3,000kmに及ぶ大回遊も研究対象で、絶滅危惧種・ニホンウナギの資源回復には産卵回遊の実態解明も欠かせない。
同所環境・応用部門の福田野歩人氏らによると、ウナギは昼に水深800メートルに潜り、夜に200メートルまで上がる行動を連日繰り返して進んでいる事や、その他の行動から、太陽を手がかりの一要素として遊泳方向を決めている可能性がある。
1973年の人工孵化成功(北海道大学)以来、ウナギの人工種苗生産は多くの研究者の努力で進められてきた。
同所養殖部門長の山野恵祐氏によると、「現在では1カ所の研究施設で、1万匹程度のシラスウナギを作る事ができる技術レベルに達している」、という。
天然資源に頼らないウナギ養殖の新時代が近付いている。期待はうなぎ上り。
★産経ニュース『【ソロモンの頭巾】長辻象平 シラスウナギ革命 鶏卵の黄身で幼生すくすく成長』(2022/8/24)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220824-X5KTQXRYE5OKFAUWNCR23ZND4E/
孵化した幼生がシラスウナギとなるまでの給餌に問題があったのだ。
この難関突破への明るい見通しが、水産技術研究所・教育機構のシンポジウムで発表された。
ウナギの幼生は意外にも、ニワトリの卵の黄身で順調に育った。ウナギの完全養殖実用化への道が開けた感がする。
ウナギの幼生はレプトセファルスといい、フィリピン東方のマリアナ諸島付近で孵化した幼生が、黒潮などの海流に運ばれて日本列島にやって来る。
長旅を終えると爪楊枝(つまようじ)サイズのシラスウナギに変身し、成魚への道を歩むのだが、幼生期に何を食べているのか分からなかった。
サメの卵で突破口.
長年の研究を経て、深海に棲むアブラツノザメの卵を用いた人工飼料で、シラスウナギにまで育てられるようになった(2002年)。その8年後、天然資源に頼らない待望の完全養殖が成功し、ニュースになった
鶏卵での新展開.
だが、アブラツノザメは資源量に限りがあるので、安定的に使える原料をベースにした新たな飼料の開発が必要だった。
そうして辿り着いたのが、ニワトリの卵黄だった。
先の水産技術研究所・養殖部門の古板博文氏によると、新飼料には脱脂粉乳・カゼイン・酵素魚粉・大豆ペプチド・タウリン・ビタミン・魚油も配合されている。2017年には、サメの卵と変わらない成長が確認され、現在の幼生の飼育は、鶏卵の飼料で行われているとの事。
幼生期の短縮へ.
幼生の飼育には手間とコストがかかる。事業化、つまり安価なシラスウナギを大量に供給するためには、この期間の短縮が必要だ。
幼生期の短縮には、飼料の更なる工夫だけでなく、品種改良も要る。
同部門の野村和晴氏によると、交配研究の結果、シラスウナギになるまでの日数などは、遺伝が関係しており、幼生期が短い個体を選び出して交配を繰り返す事で、幼少期を短縮する可能性を探っている段階だという。
幼生も健康優良.
完全養殖の事業化には健康な幼生の量産が必要だ。
同部門の風藤行紀氏によると、遺伝子工学を使ってチャイニーズハムスターの卵巣由来の細胞の利用に行き着いた、というから苦労の程が偲ばれる。
産卵回遊の解明へ.
マリアナ諸島近海での繁殖に向かう親魚の3,000kmに及ぶ大回遊も研究対象で、絶滅危惧種・ニホンウナギの資源回復には産卵回遊の実態解明も欠かせない。
同所環境・応用部門の福田野歩人氏らによると、ウナギは昼に水深800メートルに潜り、夜に200メートルまで上がる行動を連日繰り返して進んでいる事や、その他の行動から、太陽を手がかりの一要素として遊泳方向を決めている可能性がある。
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天然資源に頼らないウナギ養殖の新時代が近付いている。期待はうなぎ上り。
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★産経ニュース『【ソロモンの頭巾】長辻象平 シラスウナギ革命 鶏卵の黄身で幼生すくすく成長』(2022/8/24)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220824-X5KTQXRYE5OKFAUWNCR23ZND4E/
2022-08-25 11:10
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コメント(3)
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by DonaldAmuck (2022-08-25 19:58)
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by DonaldAmuck (2022-08-25 20:13)
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