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【食用コオロギ】

 ロシアによるウクライナ侵攻を機に、食料安全保障の強化が課題となり、食用コオロギの生産が活発化してきた。
 栄養価の高いコオロギは、肉の代替タンパク源として注目されている。
 とはいえ、やはり『ゲテモノ食い』のイメージは払拭できない。
 果たしてコオロギは、食糧問題を解決する“切り札”となり得るのか。

コオロギのメリット.
 コオロギが食材として注目されているのは、栄養価の高さと環境負荷の低さが注目されているからだ。
 コオロギは、雑食で一年中飼育でき、牛や豚などの家畜よりも少ない餌や水で、家畜よりも豊富なタンパク質を含む。またカルシウム・ビタミン・ミネラルなどの栄養価も、家畜よりは優れている。また、昆虫は骨もなく殆どの部分が食べられる。
 コオロギは狭いスペースで高密度の環境でも育てることができ、餌は食品廃棄物で賄える。『養殖のし易さ』も大きなメリットだ。
 2013年、国連食糧農業機関(FAO)が食料危機の解決に寄与するとして、『昆虫食』を推奨している。

生産ガイドラインの整備.
 一方昆虫は、デング熱やマラリアなどの病気を媒介し、食べるとアレルギー症状が出る事もあり、安全性・信頼性の確保が課題となっている。
 国内では、生産過程が不明な海外産の流通も多く、昆虫の生産・利用に関する公的な指針や基準の整備が求められていた。
 今年7月、研究機関や企業で作る『昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム(iBPF)』が、食用コオロギ生産のためのガイドラインをまとめた。
 ガイドラインには、生産面・衛生面・管理面など多くの指針が盛り込まれている。

市場規模1,000億円?
 日本能率協会・総合研究所は、昆虫食の世界市場は25年度に1,000億円と、19年度の約14倍の規模に達すると予測している。
 この予測を裏付けるように、『無印良品』を手掛ける良品計画が販売した『コオロギせんべい』が、オンライン・ストアで一時品切れになるなど、ヒット商品も生まれている。

根強い昆虫への嫌悪感.
 身近になりつつある昆虫食とはいえ、『漠然とした嫌悪感や不安』の払拭はやはり難しい。
 調査会社の日本トレンドリサーチが、今年2月に公表した男女800人へのアンケートによると、「昆虫食を食べたいと思わない」、と回答したのは9割以上にのぼる。「気持ち悪い」、「衛生面で不安がある」といった理由が大半を占めた。

教育や法整備へ連携必要.
 では、こうした嫌悪感を拭い、国民への普及を広げて昆虫食の市場拡大を図るにはどうしたらいいのか。
 東京農業大で昆虫食を研究している佐々木豊・教授は、「昆虫食を“食文化”として根付かせるための啓蒙や教育活動が重要になる」、と強調する。
 日本では古来より昆虫を食べる文化があるにもかかわらず、農水省などが示す現在の畜産物の定義に昆虫は含まれない。
 今回、食用コオロギ生産のガイドラインが整備された事は、普及に向けた大きな一歩と評価するが、行政や民間の連携も不足している。教育や法律を整え、昆虫を“畜産化”していくための改革が必要といえよう。

●「日本では古来より昆虫を食べる文化がある」、とこの記事は言うが、私は食べた記憶がない。「イナゴの佃煮」というのを聞いた事はあるが・・・


★産経ニュース『【経済インサイド】コオロギ食定着へ法改正も 専門家「畜産物に定義、普及を」』(2022/9/3)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220903-BVGM3CSVOZJOBDRSJ3DQZTMODM/

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