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【「車イスの天才科学者」スティーブン・ホーキング博士、死去】

 イギリスの宇宙物理学者で、筋委縮性側索硬化症(ALS)と闘いながら独創的な宇宙論を発表し続けた、スティーブン・ホーキング博士が今月14日、死去した、享年76。
 亡くなった14日は、奇しくも、最も影響を受けたというアインシュタインの誕生日であった。

【経歴】
●1942年1月8日、イギリス南部のオックスフォードで生まれた。名門オックスフォード大学を首席で卒業後、ケンブリッジ大学大学院に進学。
●1963年21歳の時、運動神経に障害が生じる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断され、余命2年と宣告された。
●1966年、ケンブリッジ大学で宇宙論の学位を取得。
●1974年に「ブラックホール蒸発理論」を発表し、英王立協会々員に。
●1979~2009年、ケンブリッジ大学ルーカス記念講座の数学教授。


 若くしてALSと診断された氏は、絶望の中で研究に打ち込み、宇宙の始まりに関する常識破りの新理論を発表。「理論は全て頭の中のことだから、障害も大きなハンディキャップではない」、と語っていた。
 筋肉が徐々に衰える中で、車イスに取り付けた小型コンピューターを頬で操作して文章を作り、音声合成装置で“発言”して研究を続けた。

 名古屋大の杉山直・教授(宇宙論)は、「研究に必要な議論や計算ができなくなっても、新しい考えを発表したのは凄い。最大の努力と情熱で宇宙に挑戦した」と讃え、また、「何れも常識を超える理論で宇宙の根本に迫るだけに検証が難しいが、間違いなくノーベル賞に匹敵する仕事をした」、とも称賛している。
 親交があった東京大学の佐藤勝彦・名誉教授(宇宙論)は、「天才的な閃きと、センスの良さを持つ方を失った。宇宙物理学の大変な損失だ」、と氏を惜しんでいる。
 旺盛な探究心で、相対性理論や量子論を駆使してタイムマシンを研究していた。来日した際、佐藤氏が何故その研究をするのかと聞くと、「障害者にとっては楽しみなんだよ」、と語ったという。
 アメリカ航空宇宙局(NASA)もツイッターで、「数々の理論は膨大な可能性への扉を開いてくれた。我々そして世界は、その可能性を探検し続けていく」、と氏を悼んだ。

 冗談が大好きなことでも知られ、講演では何回もジョークを飛ばす。自身が提唱したブラックホールの蒸発仮説について、最先端の加速器で実証されれば、「ノーベル賞はいただき ! 」と話し、聴衆を沸かせた。
 何れは太陽系にも寿命が来るため、人類が生き残るには他の星に住むしかないと考え、そのため、光速の5分の1の速度で飛ぶ超小型探査機を開発し、太陽系から最も近い恒星「ケンタウルス座α星」まで飛ばして惑星や生命体を探す、との計画を2016年に発表するなど、晩年になっても注目を集め続けた。

●氏のご冥福を、お祈り申し上げます。


★産経ニュース『スティーブン・ホーキング博士が死去「車いすの天才科学者」』(2018.3.14)、
★上記へのリンク http://www.sankei.com/life/news/180314/lif1803140016-n1.html

★産経ニュース『ホーキング博士死去 宇宙誕生の扉開く理論 「ノーベル賞に匹敵」と専門家』(2018.3.14)、
★上記へのリンク http://www.sankei.com/life/news/180314/lif1803140039-n1.html

★産経ニュース『ホーキング博士死去 難病と闘い情熱で宇宙の謎探究』(2018.3.14)、
★上記へのリンク http://www.sankei.com/life/news/180314/lif1803140041-n1.html

★産経ニュース『ホーキング博士死去 根源に迫る仮説続々』(2018.3.15)、
★上記へのリンク http://www.sankei.com/life/news/180315/lif1803150038-n1.html
より.


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