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【中国に、「精神的日本人」登場】

 中国のインターネット上で、「精日(精神的日本人)」というワードが注目されている。「精日」とは、「心理的に自らを日本人と見做す若い中国人」の意。

日本兵コスプレ.
 今年2月、南京戦の激戦地となった紫金山のトーチカ跡で、旧日本軍の軍服を着て記念撮影したとして、20代の中国人男性2人が拘束された。
 ネット上では、「武運長久」と書かれた日章旗付きの銃剣やサーベルを手に、ポーズを決める写真もアップされていた。
 近年、こうした日中戦争の戦跡を舞台にした旧日本軍のコスプレ写真が、しばしばネット上で暴かれ、「精日」による常軌を逸した行為として糾弾されている。
 この件について、王毅外相は色を成し、「中国人の堕落者(クズ)だ!」と声を荒らげた。
 このように、唯の「コスプレ写真」が政府高官である王外相の厳しい批判まで招いた。一体、ここに出てくる「精日=精神的日本人」とは何なのか。

倒錯した憧れ.
 毎日のように抗日ドラマが放送されている中国で国民は、幼少時から旧日本軍の兵士が強烈なイメージとして刷り込まれている。残酷な悪役としてではあるが、意識の奥底で大きな存在となっているのは想像に難くない。
 屈折・倒錯した心理が、旧日本軍への一種の憧れを生んでいるのだろうか。あるいは、当局から一方的に押し付けられた抗日史観を、無意識に「相対化」しようとする心理的な試みかも知れない。
 コスプレの趣味はなくとも、歴史的存在としての旧日本軍に興味を持ち、マニアックな知識を有する“日本軍オタク”は意外に多い。
 当局は、彼らの思考が権威への反逆に繋がり兼ねない、と警戒感を高めている。
 「精日」の論調は、日本経済の発達ぶりや民度の高さ、軍事力の強さを強調し、中国を「あなたの国」などと、他人行儀に呼ぶのが特徴だという。

自国に嫌気.
 「精神的日本人」の殆どが10~20代の若者で、1990年代からの「反日教育」の中で育った世代である。
 彼らの出現は、中国政府の反日教育の部分的失敗を意味すると同時に、わざと日本軍の軍服を身につけて記念写真を撮った前述の若者の行動は、「日本軍、即ち悪」、という政府の反日教育に対する彼らの正面からの造反でもある。
 「精神的日本人」になろうとする若者たちの多くは、むしろ、現代中国の堕落と醜悪に嫌気がさしているからこそ、「理想」としての日本文化に同化しようとするのではないか。若者層における「精神的日本人」の登場は、興味深い現象の一つである。


★産経ニュース『中国で「精神日本人」現象が起きているワケ 日本人になりたい人たちの心理とは』(2018.3.22)、
★上記へのリンク http://www.sankei.com/world/news/180322/wor1803220001-n1.html
と、

★産経ニュース『【石平(セキ・ヘイ)のChina Watch】「精神的日本人」の登場』(2018.3.23)、
★上記へのリンク http://www.sankei.com/column/news/180322/clm1803220006-n1.html
より.


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