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【『孔子学院』をスパイ組織と断定、アメリカ】

「2つの中国」.
 中国の習近平・国家主席は、台湾統一工作では侵攻も除外しない強硬策を断行する構えを示唆した。
 一方、トランプ米大統領は、米国と台湾の閣僚や政府高官の相互交流を活発化する超党派の『台湾旅行法案』に署名し同法を成立させた。
 「2つの中国」について習主席が強硬策に言及したのは、米国の対中外交の衝撃的大転換が念頭にあったものと思われる。

「2つの朝鮮」.
 1992年、中国は経済的利益を優先して韓国と国交を樹立した。「2つの中国」は武力をもってでも阻止せんとし、「2つの朝鮮」は容認したことになる。北朝鮮にしてみれば中国外交はダブル・スタンダードであり、明らかなる裏切り行為であった。
 翌1993年、中国への不信感を高めた北朝鮮の核開発疑惑が浮上した。北朝鮮は『核拡散防止条約』から脱退した。
 以来、北朝鮮は中国の「核の傘」と半ば決別し、独自性を濃厚にしていく。核・弾道ミサイルをツールにした瀬戸際外交へと、国家戦略を切り替えた。
 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が国家指導者となると、中朝関係は急激に悪化した。
 中国寄りで、ナンバー2の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)氏が中国共産党と謀議し、異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏を指導者に担ごうとしたクーデター未遂で極に達した。金正恩氏は残酷な手口で叔父と異母兄を殺し、中国の隠密介入に“応答”した。

中国の軍事力増大.
 中国は、経済・軍事力をバックに国際的な影響力を増大させ続ける。その先は、日本を蹴落として「アジア皇帝」という栄光を、更にその先は、米国に追い付き → 追い越し「世界皇帝」になる栄冠を目標としている。
 中国は今世紀の中頃までに、米軍に比肩する「世界一流の軍隊」を建設することを目指している。2030年までには、原子力空母2隻を含む空母4隻を核とする、4個空母打撃群も配備するとのこと。
 米シンクタンク『ランド』は、米中経済安全保障調査委員会の公聴会で、「2035年に人民解放軍の戦力は、インド・太平洋地域において米軍や同盟国軍と同等以上になる」、と警告している。

「学院」という名のスパイ組織.
 米国では3人の共和党議員が、米国内100カ所以上の大学などに設置されている、中国政府の公的機関『孔子学院』などを対象に、『外国代理人登録法』に基づく登録を義務付け、監視強化を図る『外国影響力透明化法案』を上下両院に提出した。
 『孔子学院』は表向き、「世界の人々の中国の言語・文化への理解を深め、外国との友好関係を発展させる」、との基本理念を掲げる。146カ国・地域の大学などに525カ所、小規模な『孔子教室』は1,113カ所もある。日本でも、学院14カ所と教室8カ所が開設されている。
 FBI(米連邦捜査局)は、『孔子学院』や『孔子教室』をスパイ組織と断定している。
 FBI長官は、情報特別委員会の公聴会で、『孔子学院』が中国共産党思想の政治宣伝や中国政府のスパイ活動に利用され、「捜査対象」になっている旨を明言。米国内の中国人留学生や、中国の民主化・人権活動に携わる在米中国人の動向監視にも活用されていると断じた。
 『孔子学院』への監視強化を促す新法の淵源となった『外国代理人登録法』は、ナチス・ドイツの米国内でのロビー活動封じ込めを目的に1938年に制定されたもの。中国共産党の世界覇権への野望は、遂にナチス・ドイツと同じ危険域に達した、との警戒感を米国は持ち始めたのだろうか・・・

★産経ニュース『【野口裕之の軍事情勢】サヨナラ「孔子学院」 米国は中国共産党の世界覇権の野望を危険と認識!』(2018.3.26)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/premium/news/180326/prm1803260004-n1.html

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