【中国のマネーパワーは『張り子の虎』】
大盤振る舞い.
中国の習近平・国家主席は、北京で開催された『中国アフリカ協力フォーラム』首脳会合で、「今後3年間で600億ドル(約6兆6,000億円)をアフリカ向けに拠出する」、との大盤振る舞いをした。
大盤振る舞いをしたものの、「本当は火の車なのに、よく言うね」、とは当記事担当の田村秀男・記者。
中国のマネーパワーは『張り子の虎』
このフォーラムは、中国の新シルクロード経済圏構想『一帯一路』に関連するもので、『一帯一路』は中国のマネーパワーによって推進される。が、騙されてはいけない。中国のマネーパワーは『張り子の虎』同然なのだ。ついで乍ら、『眠れる獅子』ってな言い回しもあったっけ。
当然、中国の対外資産は外貨が流入しないと増えない。そこで、中国は貿易黒字を拡大するため、外国からの対中投資の呼び込みに躍起になっている。
ところが現実には、2015年以降になると資本逃避が激しくなり、最近でも3,000億ドル前後の資本が、当局の規制をかいくぐって逃げ出している。
そこで習政権が頼るのは、債券発行や銀行融資による外国からの資金調達だ。対外金融債務はこうして急増し続け、外国からの対中投資と合わせた対外負債を膨らませている。主要な対外資産から負債を差し引いた純資産は今やゼロ。今後は『債務超過』に陥る可能性すらある。
米中貿易戦争.
米トランプ政権は、年間で3,800億ドルの対中貿易赤字を抱えており、少なくとも、その内の2,000億ドル分を一挙に削減しようと、中国からの輸入に対して矢継ぎ早に制裁関税をかけている。
中国の海外との全取引によって手元に残るカネ(経常収支)は縮小を続けており、今年は6月までで683億ドル、昨年は年間1,650億ドルだった。対米黒字が2,000億ドル減れば、中国の対外収支は巨額の赤字に転落してしまう。しかも、外国からの投資も大きく減りそうだ。米中貿易戦争のため、対中投資が割に合わなくなる恐れがあるからだ。
したたかな『からくり』
習氏が一帯一路・圏などへの投融資を増やそうとするなら、外国からの借り入れに頼るしかない。だがそうした場合、高利貸しか、サラ金並みの金利でないと自身の負債が膨張してしまう。現に、中国による一帯一路・圏向けの借款金利は、国際標準金利の数倍に達していると見られる。
そればかりではない。習氏は外貨が手元になくても、資金を拠出する『からくり』を用意している。その『からくり』とは次の様なもの。
港湾や高速道路、鉄道などインフラを融資付きで受注する。受注者は中国の国有企業、それに融資するのは中国の国有商業銀行、従事する労働者の大半は中国人である。とすると、受注側の資金決裁は全て『人民元』で済む。そして、負債は全て現地政府に押し付けられ、しかも全額外貨建て。
こうして『一帯一路への支援』を名目に、外貨を獲得するという仕掛けなのだ。
安倍晋三・政権も経団連も、「一帯一路に協力する」とは甘すぎる。
★産経ニュース『【田村秀男のお金は知っている】中国のマネーパワーは「張り子の虎」 「一帯一路への支援」の裏にある真の狙いとは?』(産経新聞特別記者・田村秀男氏)、(2018.9.8)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/premium/news/180908/prm1809080006-n1.html
中国の習近平・国家主席は、北京で開催された『中国アフリカ協力フォーラム』首脳会合で、「今後3年間で600億ドル(約6兆6,000億円)をアフリカ向けに拠出する」、との大盤振る舞いをした。
大盤振る舞いをしたものの、「本当は火の車なのに、よく言うね」、とは当記事担当の田村秀男・記者。
中国のマネーパワーは『張り子の虎』
このフォーラムは、中国の新シルクロード経済圏構想『一帯一路』に関連するもので、『一帯一路』は中国のマネーパワーによって推進される。が、騙されてはいけない。中国のマネーパワーは『張り子の虎』同然なのだ。ついで乍ら、『眠れる獅子』ってな言い回しもあったっけ。
当然、中国の対外資産は外貨が流入しないと増えない。そこで、中国は貿易黒字を拡大するため、外国からの対中投資の呼び込みに躍起になっている。
ところが現実には、2015年以降になると資本逃避が激しくなり、最近でも3,000億ドル前後の資本が、当局の規制をかいくぐって逃げ出している。
そこで習政権が頼るのは、債券発行や銀行融資による外国からの資金調達だ。対外金融債務はこうして急増し続け、外国からの対中投資と合わせた対外負債を膨らませている。主要な対外資産から負債を差し引いた純資産は今やゼロ。今後は『債務超過』に陥る可能性すらある。
米中貿易戦争.
米トランプ政権は、年間で3,800億ドルの対中貿易赤字を抱えており、少なくとも、その内の2,000億ドル分を一挙に削減しようと、中国からの輸入に対して矢継ぎ早に制裁関税をかけている。
中国の海外との全取引によって手元に残るカネ(経常収支)は縮小を続けており、今年は6月までで683億ドル、昨年は年間1,650億ドルだった。対米黒字が2,000億ドル減れば、中国の対外収支は巨額の赤字に転落してしまう。しかも、外国からの投資も大きく減りそうだ。米中貿易戦争のため、対中投資が割に合わなくなる恐れがあるからだ。
したたかな『からくり』
習氏が一帯一路・圏などへの投融資を増やそうとするなら、外国からの借り入れに頼るしかない。だがそうした場合、高利貸しか、サラ金並みの金利でないと自身の負債が膨張してしまう。現に、中国による一帯一路・圏向けの借款金利は、国際標準金利の数倍に達していると見られる。
そればかりではない。習氏は外貨が手元になくても、資金を拠出する『からくり』を用意している。その『からくり』とは次の様なもの。
港湾や高速道路、鉄道などインフラを融資付きで受注する。受注者は中国の国有企業、それに融資するのは中国の国有商業銀行、従事する労働者の大半は中国人である。とすると、受注側の資金決裁は全て『人民元』で済む。そして、負債は全て現地政府に押し付けられ、しかも全額外貨建て。
こうして『一帯一路への支援』を名目に、外貨を獲得するという仕掛けなのだ。
安倍晋三・政権も経団連も、「一帯一路に協力する」とは甘すぎる。
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★産経ニュース『【田村秀男のお金は知っている】中国のマネーパワーは「張り子の虎」 「一帯一路への支援」の裏にある真の狙いとは?』(産経新聞特別記者・田村秀男氏)、(2018.9.8)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/premium/news/180908/prm1809080006-n1.html
2018-09-13 11:15
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