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【南西諸島の防衛力強化と問題点】

自衛隊駐屯地の開設・拡充.
 陸上自衛隊は先月、奄美大島(鹿児島県)と宮古島(沖縄県)に新たな駐屯地を開設した。中国による離島(尖閣諸島など)侵攻の脅威を見据え、抑止力と対処力を強化するためだ。石垣島(沖縄県)でも駐屯地の拡充計画が進んでおり、完成すれば『戦力の空白地帯』とされてきた南西地域で当面の防衛態勢が整うことになる。
 南西諸島は、鹿児島県の大隅諸島から沖縄県の与那国島までで、全長約1200キロにもなり、日本の本州とほぼ同程度の広大な海空域を有する。ところが自衛隊は、これまでに必要な戦力を配備してこなかった。
 その間隙を突くように、軍事活動を活発化させているのが中国。艦艇や航空機の常続的な活動に加え、昨年1月には、中国潜水艦が宮古島の接続水域を潜航したことが初めて確認された。また、空母『遼寧』の西太平洋への進出も始まっている。

しかし問題が・・・弾薬撤去で防衛能力が欠如.
 防衛省は、3月末に新設された陸自の宮古島駐屯地の地元住民に対し、「駐屯地に保管するのは小銃弾等」、と説明してきた。しかし実際は、火力の強い中距離多目的誘導ミサイルなども保管したため、地元住民の反発を招いた。
 そこで防衛省は、駐屯地に保管されていた中距離多目的誘導ミサイルと迫撃砲の全弾薬を島外に撤去した。それらの主力装備は弾がなければ張り子の虎に過ぎず、防衛態勢に重大な欠陥が生じる。
 抑止力にも弊害が出ている。弾薬の撤去後、それをを嘲(あざ)笑うかの如く、中国海軍の艦艇3隻が宮古島と沖縄本島の間を通過した。

問題その2・・・電子戦の訓練ができない.
 また自衛隊は現在、沖縄県の離島への中国の侵攻を想定した電波妨害訓練が行えない。実戦に則した訓練ができなければ、電子戦で自衛隊の情報通信ネットワークやレーダーが妨害され、駐屯地の部隊が機能しなくなる恐れがある。
 電波法を所管する総務省は、「基地局の近くで同じ周波数を使った訓練を行えば、混信を起こして携帯電話が使えなくなる恐れがある」、として宮古・石垣両島での電波妨害訓練を承認していない。

 中国とロシアが電子戦を重視していることを受け、自衛隊は電子戦能力を強化する方針。一方、今秋から本格運用が始まる通信規格の第5世代(5G)では、周波数は大容量のデータを送ることができるマイクロ波(SHF)に移るが、軍事用レーダーはSHFの周波数を使うものが多く、訓練への障害は、依然、残ることになる。

●首相は、住民の声に耳を傾けつつも国家の安全保障を最優先し、この問題に対処すべきだろう。

★産経ニュース『奄美、宮古…南西地域で陸自駐屯地が続々と拡充、中国脅威に対抗』(2019.3.17)、
★上記へのリンク https://www.sankei.com/politics/news/190317/plt1903170009-n1.html

★産経ニュース『南西防衛に異常事態、宮古島から弾薬撤去 陸自隊員「どう戦えば」』(2019.4.7)、
★上記へのリンク https://www.sankei.com/politics/news/190407/plt1904070047-n1.html

★産経ニュース『自衛隊、離島で電子戦訓練できず 携帯電話と混信恐れ、総務省が認めず』(2019.3.26)、
★上記へのリンク https://www.sankei.com/politics/news/190326/plt1903260045-n1.html
より.

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