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【ウクライナ問題】

 ロシアのプーチン大統領は、『平和維持軍』と称する露正規軍部隊を、ウクライナ東部に侵攻させた。
 事態がここまで悪化したのは、東西冷戦終結後、世界唯一の超大国として国際秩序を維持する役割を担ってきた米国の対外政策が、益々機能不全に陥っている事が考えられよう。

2つの病理.

 この様な事態の陰には、2つの深刻な病理の存在がある、と考えられる。
 先ず、米軍が世界の2つの地域で同時に大規模な紛争に対応できる戦力を維持しなくなって以降、米国の外交政策は特定の地域を重視するのに合わせ、他の地域への政策的関心を減らす“ゼロサム”の発想が定着してしまった点にあろう。
 例えば、バイデン政権がアフガニスタン駐留米軍を完全撤収させたのは、中国の脅威に対処するため、米国の政策資源を集中投入する必要があったからだ。
 ところが、その思惑で実行した拙速な米軍撤収は、イスラム原理主義勢力・タリバンの全土支配を招き、20年間に及んだ米国のアフガン関与は水泡に帰してしまった。結局、撤収の手順ではなく、撤収そのものが誤りだった。
 対露政策に於いても、中国への対抗に傾注するため、ロシアとの“安定的関係”を目指したバイデン氏の思惑は、昨年の米露首脳会談に於いて、プーチン氏に完全に見透かされた。その延長線上にあるのが現在のウクライナ情勢だ。

 もう一つの病理は、米国々内の党派対立が、国際情勢への冷静かつ現実的な対応を妨げている点にある。
 上院では、ウクライナ問題を巡る大規模な対露制裁法案が、与野党の対立で頓挫し、ロシアの行動を非難する決議を出すに留まった。
 ロシアに厳しい姿勢を打ち出すバイデン氏を、議会が後押しできていない事が、プーチン氏を実質的に手助けしていると言えよう。

 今回の事態は米国が、覇権的な権威主義勢力の専横を押し返す唯一無二の存在であり続けられるか、そして同盟・友邦諸国がそんな米国を支え続けられるかが試される、歴史的な転換点にある事を、強く認識すべきだ。

トランプ前米大統領は・・・
 トランプ前米大統領は、プーチン露大統領によるウクライナ東部の親ロシア派地域の独立承認を、「天才的だ」と称賛した。同地域へのロシア軍派兵も「最強の平和維持軍になる」と、また「自分が米大統領であったなら、侵攻の動きは起きなかった」、とも述べている。

●トランプ氏らしいお言葉。


★産経ニュース『【黒瀬悦成の米国解剖】ウクライナ情勢を悪化させた米対外政策の「病理」』(2022/2/22)、
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220222-3HODSMNHKNOLNH2UZGTYOBKUS4/

★産経ニュース『トランプ氏、露大統領を称賛 独立承認「天才的」』(2022/2/23)、
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220223-HHCOTQWZOZKEVOLIIM3UG4SN64/
より.


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