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【ナトリウムイオン電池】

次世代蓄電池.
 脱炭素社会に向け、電気自動車(EV)の開発・再生可能エネルギーの活用が進み、両者に欠かせない『次世代蓄電池』の研究が加速している。
 現在主流となっているリチウムイオン電池は、原材料となるリチウム(炭酸リチウムとして存在)は南米などに偏在し、供給が国際情勢に左右されるリスクがある。
 そこで、リチウムに代わって注目を集めているのが、地球上にほぼ満遍なく存在しているナトリウム(塩化ナトリウム=食塩)だ。海水から取り出すことができ、事実上無尽蔵といえる。

5年で「おさらば」.
 昨年7月、中国の電池メーカー『寧徳時代新能源科技』は、「2023年中に、ナトリウムイオン電池を実用化する」、と発表した。
 ナトリウムイオン電池の実用化が実現すれば、これは世界初で、主流を占めるリチウムイオン電池に一気に取って代わる可能性がある。
 ナトリウムイオン電池研究の第一人者・東京理科大の駒場慎一・教授は、「『リチウムはあと5年でおさらば』という状況になるかも知れない」と話す。

ナトリウムの欠点を克服.
 ナトリウムイオン電池の動作原理はリチウムイオン電池と同じ。
 動作原理が同じで資源が豊富であるにも拘わらず、これまでナトリウムを使った電池が実用化されなかったのは、ナトリウムにはリチウムに劣る根本的な弱みがあるからだ。
 原子番号は、リチウムの3に対し、ナトリウムは11。原子番号が大きいほど重くなり、同じ容量の電池を作った場合、理論上、ナトリウムイオン電池はリチウムイオン電池より重くなる。
 前記の東京理科大・駒場教授は、「負極に使う炭素材料に特殊な加工を施す事で、充電容量を大幅に改善できる。正極の開発が進めば、容量でリチウムを超えられるかも知れない」、と自信をみせる。
 更に、ナトリウムイオンはリチウムイオンより電池内を高速で動けるため、充電時間をリチウムイオン電池の半分から5分の1ほどに短縮できる可能性がある。出力が落ち易い低温環境にも強いという。

全固体電池.
 通常の蓄電池は、正極と負極間に電解液があるが、この電解液が可燃性だと発火のリスクがあったり、凍結するような低温になると出力低下・機能不全を来す。
 そこで研究が進むのが、電解液を固体に置き換えた『全固体電池』だ。低温でも動作し、発火などの危険を抑えられる。
 日本電気硝子(大津市)は昨年11月、正極や負極に結晶化ガラスを使い、電池全体を燃え難い固体材料にした『全固体ナトリウムイオン電池』の開発に成功したと発表。同社は2020年代半ばの量産化を目指している。

●日本は島国で、周りを海で囲まれている。したがってナトリウムは豊富だ。ナトリウムイオン電池に期待。


★産経ニュース『【クローズアップ科学】資源の乏しい日本を救う ナトリウムイオン電池 EV搭載も』(2022/5/15)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220515-WYKR6YU5IVLCDBLICRD77HK2YA/

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