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【暗殺に怯える、習主席】

 核・ミサイル開発に心血を注ぐ北朝鮮への資金源を断つべく、中国を含む国際社会は、厳格な制裁に乗り出している。しかし、「完全な制裁」は無理だろう。
 米国の複数のシンクタンクは、北朝鮮と緊密に連携する企業は、中国に300社以上、香港にも100社以上はあると推測している。
 米ワシントンD.C.の金融制裁分析の専門会社も、「100社を超える香港企業が、北朝鮮の制裁対象と関連がある」とし、「香港が北朝鮮の中心的な資金流入の経路。正体と国籍を隠そうとする北朝鮮にとって香港はうってつけ」、と解析している。

 中国当局も、北朝鮮の核・ミサイル開発に関与する闇企業が香港にあることを承知しているだろう。
 長年、香港を支配してきたのは習一派の敵、江沢民派であるが、徐々に、習一派の牙城に移行しつつある。香港は、中国の権力者が牛耳る“闇利権のホットスポット”なのだ。

北朝鮮をダシに体制転換.
 この5年ほどの間、金王朝との関係が密接だった石油閥の周永康(元・序列9位、終身刑)や軍人のトップ2人(郭伯雄と徐才厚)を次々と獄中や鬼籍に送り、独裁への布石を着々と打ってきた習政権にとって、国際社会からの北朝鮮への制裁の動きは、“渡りに船”であった。
 米財務省が、北朝鮮との商取引に関与した中国人や中国企業などに対する制裁を発表したが、この事は、敵対する江沢民派の制裁に繋がる。米国内の資産の凍結、米国人との取引が禁止となれば、江沢民派の弱体化と無力化に拍車がかかる。
 トランプ大統領が訪中した昨2017年11月、習主席は、「中米関係の新たな歴史の起点に立っている」と述べ、環球時報は、「中国は北朝鮮との関係を犠牲にして、最大限の努力をした」としている。北朝鮮問題をダシに、体制転換と武器売買などの利益追求に走っていると見られる。

暗殺に怯える習近平.
 熾烈な権力闘争が続く中、習主席の暗殺未遂事件が、この5年で9回ほど報じられている。例えば、
●2012年3月には、周永康らが胡錦濤国家主席、習副主席らに対し、武装警察を使い暗殺計画を実行。
●更に、同年9月上旬、ヒラリー・クリントン米国務長官が訪中した際、国家主席への昇格が決まっていた習副主席はヒラリー長官との会談をドタキャンした。暗殺計画をキャッチしての事か。
●雲隠れした謎の十数日・・・。習副主席はプールで泳いでいて背中を痛め、中国人民解放軍総医院(通称、北京301病院)に入院したとされるが、「周永康らによる暗殺未遂」との説が依然、飛び交っている。「入院先で毒入り注射による殺害未遂もあった」という情報のおまけ付き。
●12月24日には、腹痛を訴えた習主席が物々しい厳戒態勢の中、検査のため301病院に緊急入院した。「度重なる暗殺未遂への心労」、「中南海に専門医を呼ばず入院したのは腹部の負傷など、シリアスな理由があるのでは?」、などと様々な憶測を呼んだ。事情通は、「中南海の車寄せで、習主席の近くに止まっていた別の車が爆発した」と言う。つまり習主席は、中南海にも暗殺を試みる敵が入り込んでいると怯え、直ぐさま301病院へ入院したと見られる。
等々。

 度々の暗殺未遂から、十分な対策を取るようになった。習主席の香港滞在時、保安当局や警察当局は、機動部隊や特別警務部隊など、8千人から1万人規模の精鋭大部隊を投入した。習主席にとって、香港も危険極まりない地域なのだ。
 昨年6月には、武装警察の幹部らの大幅入れ替えが行われた。武装警察の指揮権を、習主席がトップを務める中央軍事委員会に一本化する体制に変えたのだ。
 武装警察の幹部に、周永康に近い者が多数を占めていたことから、武装警察を信用できなかったのであろう。

 反腐敗運動の名目で、親北朝鮮の江沢民派の大物を次々と粛清し、「兄弟関係」だった金王朝とは史上最悪の関係になった習主席。隣国・北朝鮮の核ミサイルや生物・化学兵器の脅威にも怯えていることだろう。
 暗殺を最も恐れているのは、外遊もせずモグラ生活を送る金委員長ではなく、大国すぎて独裁が機能せず、国内外に「敵」だらけの習主席ではなかろうか。


★産経ニュース『【正論3月号】暗殺におびえる習近平国家主席の胸算用 関係最悪の北朝鮮には震える?』(ノンフィクション作家・河添恵子)、(2018.2.3)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/premium/news/180203/prm1802030014-n1.html

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