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【時代錯誤の日本国憲法】

 ワシントンでは今、北朝鮮の脅威についての論評が盛んだ。北朝鮮の核ミサイルが、米国の安全を脅かしているから当然だろう。
 そんな中、「迫り来る北朝鮮の核の悪夢」、と題する最新刊の書籍が関心を集めている。筆者は中央情報局(CIA)や、国務・国防両省で25年以上、北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルの動きを追ってきたフレッド・フライツ氏で、現在、民間研究機関の安全保障政策センター副所長という立場にある。トランプ路線の支持者でもある。

●同書の注目点は第1に、北朝鮮の核とミサイルの開発の現状や経緯が、類書よりずっと詳細、かつ極めて具体的に明示されていること。
●第2に、同書がトランプ政権の北朝鮮政策を読み解く指針になり得る点。オバマ政権の「戦略的忍耐」を非難し、トランプ政権の「最大圧力」の効用を強調し、最悪事態に備えての限定的な予防軍事攻撃の具体的なシナリオをも描いている。
●第3は、同書が日本への北朝鮮の脅威を詳述している点。米国自体を脅かす兵器類とは別に、弾道ミサイルでは、短距離のスカッドのうち西日本にも届く数十基に始まり、準中距離のノドン、中距離のムスダン、潜水艦発射のKN11など、その多くが日本に照準を合わせている。

 同書は、北朝鮮が日本を激しく敵視している点を説明し、北朝鮮が、日本を核ミサイルで攻撃する可能性を指摘している。
 その上でフライツ氏は、北朝鮮の核ミサイルの脅威に対し、日本が有効な自衛手段を全く持っていない点に懸念を抱いている。

 フライツ氏いわく、「日本の現憲法は、日本に向けての発射が切迫した北朝鮮のミサイル基地を、予防攻撃することを許さず、米国に向けて発射されたミサイルを、日本上空で撃墜することも認めない。憲法9条の規定により、日本領土外の敵は攻撃できず、同盟国を守るための軍事行動も取れない。日本は、自国の防衛を正常化する必要がある。」
 憲法9条に根拠を置く専守防衛、そして集団的自衛権禁止という年来の日本の防衛態勢の自縄自縛が、北朝鮮のミサイルの脅威によって明らかな欠陥を曝した、ということだ。
 日本の現憲法が占領米軍によって書かれた当時、日本の防衛といえば、敵の地上軍が日本領土に上陸して初めて活動開始という概念だった。遠方から飛んでくるミサイルが日本の防衛を崩壊させる、という現在の常識は夢想だにされなかった。日本の憲法と防衛のそんな時代錯誤は、こうして、米国で出版された書物によって裏付けられている。

* * *

 このフライツ氏の他、米国人からの「日本国憲法改憲論」が目に付く今日この頃。
 例えば、米国人歴史学者ジェイソン・モーガン著、目からウロコの改憲論『日本国憲法は日本人の恥である』(悟空出版・刊)など。
 日本人ではなく、米国人からの「日本国憲法改憲論」である。一体、何なんだ、これ?


★産経ニュース『【あめりかノート】北の脅威に時代錯誤の防衛…有効な自衛手段まったく持たないことへの懸念』(古森義久・ワシントン駐在客員特派員)、(2018.3.25)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/world/news/180325/wor1803250011-n1.html

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