【『過ちは 繰り返しませぬから』】

原爆慰霊碑･碑文.
　毎年8月6日､広島市の平和記念公園で開かれる『原爆死没者慰霊・平和祈念式典』､毎年､ﾃﾚﾋﾞ画面に長々と映し出される有名な慰霊碑の碑文に､『安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから』とある｡

　この碑文､主語は書かれていないが､｢日本が悪い事をしたので原爆被害に遭いましたが､反省したので安心してください｣､という意味にもとれる｡
　広島市の説明によると､碑文の趣旨は､｢原爆の犠牲者に対して反核の平和を誓うのは､全世界の人々でなくてはならない｣､だそうだ｡それならば､そうとﾊｯｷﾘ書けばいい｡主語のない曖昧な碑文なので､そう解読しろと言われても難しい｡

ﾊﾟｰﾙ判事､怒る.
　東京裁判で被告全員無罪を主張したｲﾝﾄﾞのﾊﾟｰﾙ判事は､広島訪問の際に碑文を見て､｢主語がないじゃないか｡過ちは誰の行為を指しているのか｡原爆を落とした者は日本人でない｣と憤った｡
　ｲﾝﾄﾞ国会では､広島･長崎への原爆投下日に黙禱を捧げるが､それは日本が“過ち”を犯したからではない｡

誤解は取り除く.
　実際､原爆投下を日本の“過ち”と受け取る日本人も珍しくない｡例えば､長崎市長を4期務めた本島等氏は平成10年､｢日本がｱｼﾞｱ太平洋戦争などで行った数々の悪魔の所業を思うと､原爆投下は仕方なかった､と言わざるを得ない｣と語った(後､木島氏は暴漢に襲撃された)｡
　核兵器の非人道性を語り継いでいくためにも､｢原爆投下は日本の過ちだから仕方がない｣､と思わせかねない碑は､撤去した方がいい｡

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★産経ﾆｭｰｽ『産経抄　8月7日』(2021//7)､より.
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