SSブログ

【防衛力の強化】

 ロシアによるウクライナ侵略戦争、この戦争が我々に教えてくれた事は、国連・常任理事国が、核をチラつかせながら「力による現状変更」を強行したら、誰も止められないという事だ。
 我が国の隣国には、同じく核を保有する常任理事国の中国がいる。中国は覇権主義を強め、台湾武力併合も否定しない。
 台湾有事は、「あるか否か」ではなく「いつ、どのように」、の段階にきている。

掛け声倒れにしない.
 岸田文雄・首相は先月23日、バイデン米大統領との首脳会談で、「日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する」、との決意を伝えた。
 中国の軍拡で、東アジアでの軍事バランスが大きく揺らいでいる。軍事バランスが崩れると戦争が起き易い。
 ところで、台湾有事は日本有事に連動する。従って、台湾有事は抑止せねばならない。軍事バランスを維持する必要があるのだ。遅きに失したが、「防衛力の抜本的強化」発言は評価したい。
 台湾有事が起きれば日本は直接の影響を受け兼ねない。
 「防衛費の相当な増額を確保」について、具体的数字を示さなかったのが気にかかる。
 防衛費の「相当な増額」が掛け声倒れに終わり、「防衛力の抜本的強化」が竜頭蛇尾に終わらぬよう願う。

「必要最小限」で命を守れるのか.
 もう一つ気になる事がある。「防衛力の抜本的強化」に「専守防衛」の見直しが入っていない。
 「専守防衛」について防衛白書は、「専守防衛とは、攻撃を受けた時に初めて防衛力を行使し、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限る」と云う。
 国民に被害が出る事を前提にした政策などは、政策と呼ぶに値しない。「専守防衛」を掲げるのであれば、戦争の抑止が絶対的必要条件となる。
 戦争の抑止は強力な軍事力を保持し、巧みな外交がなければ実現できない。
 「専守防衛」を唱えながら、他方で「他国に脅威を与えるような強力な軍事力を保持しない」(防衛白書)という。「他国に脅威を与えない必要最小限の軍事力」では戦争を抑止できない。論理が破綻している。
 「必要最小限」の防衛力で、「脅威も与えず」、相手が与(くみ)し易しと認識すれば、抑止は成立しない。

憲法の改正を.
 自民党は4月、「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」を政府に提出した。
 この提言には、「反撃力」・「GDP比目標2%以上」・「先端技術」等々、これからの防衛力整備に必要な事項が網羅されている。
 だが「専守防衛」というまやかしを前提にしている点で画竜点睛を欠く。
 国家安全保障戦略等の見直しに憲法改正が必要というなら、憲法改正を打ち出すべきではないだろうか。


★産経ニュース『【正論】防衛力抜本強化、竜頭蛇尾は困る』(麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男氏) 、(2022/5/31)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220531-QREJV2XIGRIL7NOOAKIIHZJWBY/

【竜頭蛇尾(リュウトウダビ):始めは威勢が良いが、終わりには全く勢いが無くなる事】
【画竜点睛(ガリョウテンセイ):物事を立派に完成させる最後の仕上げ】        

nice!(0)  コメント(1) 

nice! 0

コメント 1

LionelTah

Лабораторная работа по лексикологии

Ћбразовательный сервис помогает студентам с учебой, оказывает консультации по выполнению студенческих работ по любым предметам, восполнЯет пробелы в знаниЯх и оказывает услуги консалтинга в учебном процессе.
Source:

- https://all-import.ru/laboratornaya-rabota--leksikologiya/
by LionelTah (2022-06-05 12:36) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。