SSブログ

【中国、人的資源衰退】

 中国国家統計局は、2020年に実施された10年に1度の国勢調査の結果を発表した。注目されるのは、高齢者人口の増加と働き手世代の減少である。
 諸先進国と同様、人口構造の高齢化や労働人口の減少は中国でも進んでいるが、中国の深刻さは諸先進国以上である。
 それを端的に示した衝撃的な数字を、次に挙げる。

■歴年の新生児数.
2016年1,786万人
2017年1,723万人
2018年1,523万人
2019年1,465万人
2020年1,200万人

 長い中国史上、新生児数が短期間で激減したのは前代未聞である。
 こうなった原因について、中国の専門家は、不動産価格の高騰・教育費の増大・経済状況の悪化に伴う生活難などを挙げている。
 筆者(石平氏)から見れば、若年層の中国人の多くが、国と自分たちの未来に大きな不安を持っている、というのが一番の原因であろう。
 出生数の継続的な激減は、また、中国における人口構造の高齢化と労働力の減少に拍車をかけていく事となろう。
 この様な状況下、労働力の豊富さを最大の強みとする中国製造業の衰退はもはや避けられないし、それに伴って、中国経済そのものの更なる衰退も必至であろう。
 もう一つの問題は、働き手の減少と高齢者層の増大に伴って、今でも非常に脆弱である中国の年金制度がどこまで持つのかである。
 この様な状況を考えるに、中国という国が、本来、世界の覇権を求めて対外拡張するような状況にはない事が分かる。自国の国内問題に専念して民生の安定に努める事こそが、いま中国政府がやるべき仕事であろう。

●『一人っ子政策』は解除されたものの、その負の遺産が今日の状況を招いたか。『一人っ子政策』は、唯の思い付きだった?


★産経ニュース『【石平(セキ・ヘイ)のChina Watch】新生児数激減にみる暗い未来』(2021.5.27)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20210527-5PSJSK6RPJID7NBUN64NADTCBQ/

nice!(0)  コメント(0) 

【自立した国家であれ】

 現状の我が国は、国民を守る自立した国家とは言い難い。
 新型コロナウイルスで国や自治体が、施設の利用制限・人流抑制をいくらお願いしても、コロナ感染の第4波は猛威を振るっている。権力が適切に機能していないのだ。
 安全保障面でも米国頼みであり、独立国家として国民を守る覚悟がない。

権力アレルギー.
 国民の生命が脅かされている時、国家は適切に権力を行使し、国民を守らなければならない。
 戦後の日本では、先の戦争への反動として、国家権力に対するアレルギーが社会を覆っている。
 朝日新聞などの一部マスコミは、権力を忌避する風潮がある。それを筆者(河村直哉氏)は、『国家に否定的・批判的な左傾思潮』と呼んできた。この思潮が、国民を守るという国の義務を妨げている。
 憲法9条は、日本の主権を制限するものであり、脱国家的な性格を持っている。
 戦後、進歩的知識人らは、戦争への反動としてか、現実離れした空論ばかり。だが最早、その様な時代ではない。

国家と国民の誇り.
 憲法の弊害は、中国や北朝鮮の脅威を考えれば明らかであろう。
 また非常時に、私権制限を可能にする緊急事態条項が無いとの欠陥も、コロナ禍で多くの人が感じた事だろう。
 左傾した思潮は、自虐史観として表れる。自国の歴史を殊更に悪く、つまり国家を否定的に見るのだ。
 憲法は国の形であり、歴史は内実である。日本に否定的な左傾思潮はもはや退場すべきである

 戦力を保持しないとする憲法の要請上、日本は安全保障の多くをアメリカに頼らざるを得ない。
 日米同盟を基軸とする事が現実的な選択であるとしても、非対称的な関係は国民の自立心を損ねる。
 自立した国家は自ら国民を守り、同胞を大切にする。それは国家と国民の誇りの源泉である。

●ところで、『進歩的知識人』って一体何? 唯の『カッコマン』だったりして (^_^)


★産経ニュース『【河村直哉の時事論】真に自立した国家であれ 日本に否定的な左派は退場を』(2021.5.18)、より.
★上記へのリンク https://special.sankei.com/a/politics/article/20210518/0001.html

nice!(0)  コメント(0) 

【悲観は気分、楽観は意志】

悲観は気分、楽観は意志.
 『変異株』の拡大に恐れ戦き、東京五輪中止の声も上がっている。
 「悲観は気分、楽観は意志」と言う。
 そこで、少し長い目で“アフター・コロナ”を展望してみよう。

“命からがら”が、“大胆”を生む.
 今から丁度100年前、世界は『第一次世界大戦・スペイン風邪パンデミック』、というダブルパンチで疲弊していた。当時、米国の人口は約1億人で、その中の1%弱が第一次大戦とパンデミックによって失われた。
 1920年の米大統領選挙では、共和党のウォレン・ハーディングが『平常への回帰』を掲げて勝利し、軍縮の時代へと向かった。前任大統領のウィルソンが提唱した国際連盟への参加を、米議会が拒否してしまった。
 ところがその後訪れたのは『平常への回帰』どころか、『狂乱の20年代』、と呼ばれる好景気の時代だった。
 そんな時代を代表する人物にチャールズ・リンドバーグいる。彼は史上初の大西洋単独無着陸横断に成功した。“命からがら”を体験した世代は、その後は大胆になるのかも知れない。
 第一次大戦とパンデミックが終わった後、高度成長時代が訪れ、婦人の参政権も認められ、社会の価値観も一変した。

社会変化と革新的な時代.
 その100年後の現在、アフター・コロナになっても同様の現象が起き、若きリスクティカー(危険を冒す人、冒険者)の世代が登場するかも知れない。我が国に於ける『戦中派』世代が高度経済成長を切り開いた様に、アフター・コロナは、革新的な時代となる可能性を秘めている。
 現在、新たな技術のシーズ(新素材)が数多く存在している。人工知能(AI)・ビッグデータ・第5代(5G)移動通信システム・電気自動車(EV)・仮想通貨、あるいはコストが大幅に低下した再生可能エネルギー等により、新しい産業やサービスが勃興するチャンスがありそうだ。
 ただ、我々日本国民が、余りにも後ろ向きな気分になっている点が問題。

貯蓄の開放.
 2020年の国内総生産(GDP)データから、貯蓄率が前年の2・3%から11・3%に急上昇している事が分かる。
 アフター・コロナになると、この貯蓄は、これまで我慢していた消費・外食・エンタメ・観光などの、『対面のサービス業』に向かうのではないか。
 改めて申し上げたい。「悲観は気分、楽観は意志」である。次の時代は明るいと信じよう。

●「悲観的気分は、楽観的に意識転換し、乗り越えよう」、という事か。


★産経ニュース『【正論】明るいと信じたい脱コロナ時代』、(双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏)、(2021.5.19)、より.
★上記へのリンク https://special.sankei.com/f/seiron/article/20210519/0001.html

nice!(0)  コメント(0) 

【温泉微生物で、コロナ感染を抑制】

 大分県別府市の温泉に生息している微生物に、新型コロナウイルス感染リスクを53%以上低減させる可能性がある、と『サラビオ温泉微生物研究所』(別府市)が発表した。
 温泉への入浴などに加え、経口摂取でも効果が期待できるという。
 同社は臨床試験や実証研究を進め、温泉水による新型コロナ防疫への効用を訴求していく考えだ。

 同社は平成23年、温泉から藻類の一種である微生物の単離培養に成功し、これを『RG92』と名付け、平成27年に特許を取得している。
 不規則な生活習慣やストレスが続くと、腸内環境が乱れて免疫力が低下し、粘膜細胞に炎症が起き易くなる。この炎症が腸内にある『ウイルス侵入誘導因子』を増やし、ウイルスの感染リスクが高まる、と考えられている。
 なお、ウイルス侵入誘導因子とは、ヒトの細胞膜の上に存在するタンパク質分解酵素の1種で、コロナウイルスとヒトの細胞の間の膜融合に関わり、細胞内へのウイルス侵入を促してしまうもの。
 同社の『RG92』から得られたエキスは、ウイルス侵入誘導因子の増加を53・4%低減し、炎症反応を抑える効果がある、との研究結果が得られている。
 これが臨床試験でも実証されれば、新型コロナへの感染リスクを相当度、低下させる可能性がある。

 同社は、広島大・順天堂大・久留米大・立命館アジア太平洋大などと共同研究を進め、既に『RG92』が炎症や酸化を改善する作用、アンチエイジング(老化防止)作用があることも確認している。
 更に、打撲・関節炎・アトピー性皮膚炎・メタボリックシンドロームなどへの改善効果も期待できるとしている。この件、国際学会での発表や、学術誌へ論文の掲載も行っている。

 同社は、「大分県や別府市、関係機関や観光業界とも協力し、新型コロナへの防疫効果を改めて確認の上、別府温泉への観光客の誘致に結び付けていきたい」、としている。


●しかし、こうも何でもかんでも効くとなると、却って疑問符が・・・


★産経ニュース『別府温泉の微生物、コロナ感染を53%抑制 サラビオ発表』(2021.5.11)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/life/news/210511/lif2105110041-n1.html

nice!(0)  コメント(0) 

【フィリピン、中国に怒る】

 フィリピン軍は、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島の環礁で“違法な建造物”を確認し、「建設やその他の活動は、我が国の領海の平和や秩序・安全保障に悪影響を与える」と非難した。
 南沙諸島は、フィリピン・中国・ベトナムなどが領有権を争っており、この度の建造物が見つかった環礁付近では、中国船団が停泊を続けている。
 中国は、「荒天のため退避した」としているが、フィリピンのロレンザーナ国防相は、「天気は既に好転しており、留まる理由は一切ない」と反発し、退去を求めた。
 また、フィリピンのロクシン外相は、「中国よ、消え失せやがれ」とツイッターで発信した。ロクシン氏は後、発信を謝罪したが、漁船の停泊を続ける中国に対し、苛立ちを爆発させた形だ。
 中国外務省はロクシン氏の発信を受け、「発言は基本的な礼儀と身分に相応しいものであるよう望む」、と不快感を表明。

* * *

 中国は以前、フィリピンが実効支配していた、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の環礁を不法占拠し、軍事施設を建設した。
 その件、フィリピンは国際司法裁判所に提訴し、“中国違法”の判決を得たものの、中国はその判決を無視、軍事施設は未だ健在。
 中国の国際法違反は、未だ続く。


★産経ニュース『「中国よ、消えうせやがれ」 フィリピン外相、“禁句”使って怒り爆発』(2021.5.6)、
★上記へのリンク https://www.sankei.com/world/news/210506/wor2105060013-n1.html

★産経ニュース『南沙諸島に「違法建造物」 比が確認、悪影響と非難』(2021.4.3)、
★上記へのリンク https://www.sankei.com/world/news/210403/wor2104030018-n1.html
より.


nice!(0)  コメント(0) 

【第2の尖閣問題】

海底に眠る宝箱.
 沖縄の海には、大きな可能性を秘めた“宝箱”がある。金・銀・銅など、海底に眠る鉱物資源がそれである。
 しかし、“宝箱”の蓋は未だ開けられていない。背景には、環境への影響や技術的な問題に加え、中国の影も見え隠れする。

採算は取れる.
 沖縄の近海、水深700~2,000メートルの海底には、『海底熱水鉱床』が広く分布している。地下のマグマにより重金属を含んだ熱水が噴出・沈殿してできた鉱床で、金・銀・銅・鉛・亜鉛など、様々な金属成分を豊富に含んでいる。
 平成28年、国が鉱床の一つ伊是名(いぜな)海穴を調査した結果、その埋蔵量を740万トンと算定している。
 翌年(平成29年)、世界で初めて1,600メートルの深海から鉱石を採掘し、水中ポンプで洋上に揚げる事に成功した。しかし商業化の見通しは未だ立っていない。
 資源エネルギー庁などによると、巨額の資金を要する海底資源開発で採算を取るには、5,000万トン以上の資源量が必要だという。
 沖縄の海域では、伊是名海穴の他にも、久米島沖や伊平屋(いへや)島沖などで有望な鉱床が複数見つかっている。しかし国は、資源量などの詳細を明らかにしていない。
 一方、沖縄県内で海底資源の活用方法を研究している一般社団法人『沖縄海底資源産業開発機構』の高橋庸正・代表理事は、「全体的な資源量が5,000万トンを遥かに超える可能性は高い。海底鉱物資源の商業化は世界に例がなく、実現すれば日本と沖縄の将来を担うだろう」と話す。つまり、採算が取れる埋蔵量なのだ。

忍び寄る中国の影.
 しかし、中国の動きが懸念される。国がその調査を本格化した平成20年以降、中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域(EEZ)内で、ワイヤを引きながら航行する様子が度々確認されている。
 海上保安庁が平成26年、久米島沖で国内最大規模の熱水噴出孔を確認したと発表し、巨大な鉱床発見への期待が高まると、EEZ内に出没する中国船が急増。同庁によると、日本の同意を得ずに調査活動などを行った件数は、平成27年には過去最多の22件に上る。
 その後中国の不穏な動きは、令和元年に5件確認されている。
 強引な海洋覇権政策を進める中国は、日本のEEZを認めていない。沖縄県内では、「このまま開発が遅れれば中国に先手を打たれ、尖閣問題の様な状況に陥る恐れもある」、との声も上がっている。
 国は令和4年度、これまでの調査結果を総合的に検証し、新たな計画を発表する方針だが、環境保全対策などの課題もあり、具体的な開発については微妙。
 東海大の山田吉彦・教授(海洋政策)は、「日本は現在、鉱物資源を殆ど輸入に頼っている。海底から自前で採掘できれば、その国益は計り知れない。自国の海底資源を守り、活用するのは国家の責務だ。様々な課題はあるが、今は日本の覚悟が問われている」、と語る。
 鉱床のある海域を、“第二の尖閣問題”にしてはならない。


★産経ニュース『【日本の論点】沖縄 海底に眠る「宝箱」を開けよう』(2021.4.11)、より.
★上記へのリンク https://special.sankei.com/a/column/article/20210411/0001.html

nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。