SSブログ

【単位接頭語 (ギガ・マイクロ等) について】

 ギガやマイクロは、大きな数や小さな数を表すためにバイト(情報量の単位)やメートルのような単位の前に付ける接頭語だ。
 その接頭語に、31年ぶりとなる4つの新しい接頭語が誕生する。

1991年以来の制定.
 長さならメートル・質量ならキログラムなどといった計量単位は、混乱を避けるため、世界共通の単位に統一しており、それらを国際単位系(SI)という。それぞれの定義は国際度量衡総会が決めている。
 総会は、単位の統一と国際的な普及を目的として1875年に締結されたメートル条約に基づき、ほぼ4年ごとに開催されている。
 日本からは産業技術総合研究所が、国内を代表する組織として参加している。
 単位と合わせて使う接頭語も総会が決めており、SI接頭語という。3桁ごとに区切りを入れて呼称が決まっている(センチなど、一部例外を除く)。
 SI接頭語は、1991年に4つが増えたのが最後で、上は10の24乗、下は10のマイナス24乗までが定められている。

最先端科学が接頭語に圧力.
 スーパーコンピューターに関し、『エクサ級』という言葉がある。エクサは10の18乗(100京、京は兆の1万倍)。エクサ級スパコンは1秒間に100京回以上の計算が可能で、今年5月に発表された計算速度を競う世界ランキングで、米国の『フロンティア』が初めて達成した。
 コロナ禍を契機としてデジタル化が進んでおり、データ流通量が、現存するSI接頭語の最大である“ヨタ”まで膨れ上がるのも時間の問題だろう。
 一方、小さい桁の方はどうだろうか。“アト”(10のマイナス18乗=100京分の1)秒という、ごく僅かな時間だけ光るレーザーの研究が注目を集めている。
 そのレーザーで電子や原子の一瞬の動きを観察する事ができ、物理現象の解明・新材料の開発につながる。

 この様に、最先端の科学技術は、いま定められている単位の接頭語の限界に迫ろうとしている。
 既に、10の27乗については、情報量を表すバイトと合わせて、『ブロントバイト』や『ヘラバイト』、などという非公式な呼び方がインターネット上に散見されている。

新たな、4つのSI接頭語.
 こうした背景から、数年前から新しいSI接頭語の制定が議論されてきた。
 今回の総会で新たに追加されると見込まれるのは、
●10の30乗を示す『クエタ』、
●10の27乗を表す『ロナ』、
●10のマイナス30乗の『クエクト』、
●10のマイナス27乗である『ロント』だ。

 しかし、科学技術が目覚ましく発展する中で、人間が認識する世界が今後も拡大していけば、また、新たな接頭語が必要になるかも知れない。
 新しい接頭語を決める際には、様々なルールがあるが、ここでは、とりあえず省略。


★産経ニュース『【クローズアップ科学】ギガ、マイクロの新たな仲間 「10の30乗」とは 31年ぶりの接頭語』(2022/11/13)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20221113-UDA3IGRXTZP57BTUXMR5PZEZJQ/

nice!(0)  コメント(3) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。