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【韓国の中国恐怖症】

 韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。米国が韓国に協定を継続するよう警告する中での破棄は、反日だけが理由ではない。その裏には、韓国の『中国恐怖症』がある。

韓国、軍事的損失.
 GSOMIAは、日韓両国の間で交換される秘密の軍事情報を保護するのが目的で、それを破棄する事は、軍事情報の質や量のダウンを意味する。
 韓国本土や沿岸の艦船では、日本列島を飛び越えるミサイルは水平線の関係で探知できない。偵察衛星を持たない韓国軍にとって水平線下の向こう側は、全く未知の領域なのだ。
 一方日本は、自国や米国の偵察衛星による情報を迅速に入手できる。その上、韓国に配備された米軍の『高々度ミサイル防衛システム(THAAD)』のレーダーによる情報も加わり、日本本土や日本海からは、北朝鮮などから発射されたミサイルを探知できる。GSOMIA破棄は韓国にとって軍事的損失なのだ。それでも敢えて破棄に至った背景には、韓国の中国恐怖症がある。

中国への恐怖.
 韓国の対中恐怖症を端的に表しているのが米軍のTHAAD配備問題だ。2016年7月、朴槿恵(パク・クネ)政権がその配備を決定するや、中国は強烈な経済的制裁を開始。そのため韓国経済は、対中輸出が減少する等して悪化。
 文在寅・政権になっても、中国は制裁を継続。2017年11月に訪中した康京和(カン・ギョンファ)外相は、中国から屈辱的な要求を飲まされた。

(1)THAADの追加配備をしない.
(2)対中ミサイル防衛に参加しない.
(3)韓米日の安保協力を、3ヶ国軍事同盟に発展させない.
(4).THAADの運用で中国の利益を損なわないよう、制限を設ける.

 中でも、上記(3).『安保協力を軍事同盟に発展させない』という項目は見逃せない。中国から見れば、正にGSOMIAは、3ヶ国軍事同盟の第一歩であり看過できないのだ。
 中国の要求は、韓国にとって屈辱以外の何ものでもない。日本や米国などの第三国との外交権を中国に献上する、といった属国的な行為である。ところが韓国は、中国の要求を殊勝に守っている。
 日本の輸出管理厳格化では、デモと不買運動で激烈な反応を示すものの、中国の高圧的な命令には従順に従っている。首を傾げざるを得ない。

韓国の行く末.
 朝鮮戦争(1950~53)では、義勇軍として参戦した中国人民解放軍に対して首都ソウルで攻防戦を展開し、数十万の戦死者を出した。にも拘わらず中国に賠償を求めていない。一方、韓国と戦争をしていない日本には、様々な賠償を求めてくる。随分な違いである。
 経済と軍事の両面で強力な大国となった中国に対し、米国から最新鋭戦闘機を導入するなどして自立の姿勢を堅持する台湾や、逃亡犯条例改正などの中国政府の強硬姿勢に対し、粘り強くデモを続ける香港に比べ、独立国でありながら中国の指示に従う韓国。自由主義陣営の一員でいられる時間は、長くないのかも知れない。


★産経ニュース『【岡田敏彦の軍事ワールド】反日の裏に中国恐怖症 韓国GSOMIA破棄』(2019.8.27)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/premium/news/190826/prm1908260009-n1.html

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