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【国際安保への貢献、日本】

欧州、日本に関心.
 欧州では最近、日本への関心がびっくりするほど高い。ロシアのウクライナ侵攻で欧州でも、「台湾有事への対応」が真剣に論じられるようになった。
 先日、仏外交シンクタンクの討論会でアジア研究者や国防関係者が、「台湾海峡が封鎖されたら、日米同盟はどう動くか」とか、「日欧にできる連携とは」とかが語り合われていた。
 岸田文雄首相は、防衛費の「相当な増額」を表明した。少し前なら欧州メディアは、「東アジアの緊張を高める」と一斉に書き立てただろうが、今は警戒論が全く聞こえない。

知日派フランス人は語る.
 「知日派」の重鎮で、北京、東京特派員を歴任したAFP通信のピエール=アントワーヌ・ドネ元主筆は、「米国がウクライナのように台湾を軍事支援すれば、米軍基地のある沖縄が中国の標的になり兼ねない。日本が備えるのは当然だ」と語り、「確かに数年前なら、こんな事は言わなかったよ。だが、今度の戦争で中国とロシアの脅威は結び付き、世界は変わった」と笑った。また「(軍事費の)国内総生産(GDP)比2%への増額も、既に欧州では標準値だから抵抗はない」と言う。

日独、軍備増強.
 こんな視点の背景には、ドイツの変化がある。ウクライナ侵攻後、国防費をGDPの2%にすると決め、軍備増強に動いた。
 ドイツは第二次大戦後、「ナチスへの反省」から軍拡をタブー視してきた。それが、ウクライナ侵攻で、「軍事支援が不十分」と批判される様になった。かつてナチスの占領に苦しんだポーランドやバルト三国がその急先鋒だ。ドイツは戦後、安全保障を米軍に頼ってきた点でも、日本と似ている。
 仏誌『ルポワン』は、ウクライナ侵攻による世界の変化を、「日独という敗戦国の再武装に象徴される」と論じた。日独が国防費をGDP比2%にすれば、日本の国防費は米中に次いで3位、ドイツは4位の規模となり、世界の軍事地図が変わる。
 それでも、同誌は「案じることは全くない。中国や北朝鮮が地域を火薬庫に変える中、強い日本はアジア安定に繫がる」と記した。警戒論の欠片(かけら)もない。

日独、安保貢献への期待.
 日独の民主主義・平和主義は、戦後70年以上を経て評価が定着し、信用が根付いた。中露や北朝鮮の脅威が世界で台頭する今、欧州では、「(日独は)安保に貢献して欲しい」という期待の方が遥かに強い。
 岸田首相は、アジア安全保障会議(シャングリラ対話)での基調講演で、「ウクライナは明日の東アジアかも知れない」と述べた。地域の危機を訴えながら、中国を一度も名指ししなかったのが印象に残った。
 日本は米国の忠実な同盟国だが、米国の対中強硬論とは距離を置き、自分から摩擦を起こさない。
 西欧では、米中対立に巻き込まれる事への懸念があり、対決を避ける日本流外交が共感を呼ぶ。

●NATO加盟申請直前、フィンランド&スエーデンの首脳がお揃いで、突然の訪日。「何で?」と思ったが、この記事を読み、納得。


★産経ニュース『【緯度経度】安全保障で日本に期待 首相待つ欧州』(産経新聞パリ支局長・三井美奈氏)、(2022/6/24)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220624-5IM5MIIO6JIK7FDNXRHOAX6NR4/

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