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【国際秩序の維持】

国際社会が求める日本像.
 ウクライナ侵攻後、ドイツは国防費をGDP比2%に増額し、軍備増強に動いた。日本でも岸田文雄・首相が防衛費の“相当な増額”を表明した。
 日独が国防費をGDP比2%にすれば、日本は米中に次いで3位、ドイツは4位の規模になり、世界の軍事地図を変える。
 にも拘わらず、フランスの週刊政治ニュース雑誌『ルポワン』は、「案じる事は全くない。中国や北朝鮮が地域を火薬庫に変える中、強い日本はアジアの安定に繫がる」、と記している。

憲法9条に拘泥する勢力.
 参院選では自民党が、「防衛費GDP比2%以上を念頭に、5年以内には必要水準達成」と主張し、日本維新の会、国民民主党もほぼ同調する。
 一方、公明党・立憲民主党・共産党・社民党は、防衛力増強の動きに反対している。
 上記各党の主張の背景には、憲法9条遵守というより、敗戦直後の『ポツダム体制』の発想がありそうだ。

ポツダム体制 ➜ サンフランシスコ体制.
 戦後の国際秩序は、戦勝国である連合国が作った『ポツダム体制』である。その象徴が『国際連合』だ。
 日本はドイツ等と共に、国連憲章で『旧敵国』とされている。
 日本は“悪しき戦争”をした国として武装解除され、憲法で“戦力の不保持”が固定化された。
 占領軍の憲法原案起草の責任者、チャールズ・ケーディスは、「(目的は)日本を永久に非武装のままにする事だった」、と後に語っている。
 しかしその後、東西冷戦が起き、日本はサンフランシスコ講和条約を経て、自由主義陣営の一員として国際社会に復帰した。『サンフランシスコ体制』への移行だ。
 それに伴って防衛政策も『非武装』から『再軍備』へと転じ、朝鮮戦争の勃発によって設置された警察予備隊は自衛隊へと発展していった。

 現在の欧州は、アジアの安定のため『ストロングジャパン(強い日本)』を求めている。
 日本は第二次大戦で『悪しき戦争』をした忌まわしい国として控えめな軍事力を持てばよいという存在では最早ない。国際秩序の維持に責任を持ち、相応に国際社会に軍事的な貢献をする事が期待される存在となっている。

国民の審判.
 ロシアのウクライナ侵攻は、既に形骸化していた『ポツダム体制』を完全に過去のものとし、日独など第二次大戦の敗戦国に『再武装』を期待する効果をもたらした。
 参院選後は、防衛費増額のみならず憲法改正も課題となる。『ポツダム体制』の残滓である憲法9条の改正は必須だ。
 未だ『ポツダム体制』に呪縛されている人達に、発想転換の契機を与えられるかどうか、国民の審判が問われる。


★産経ニュース『【正論】「強い日本」への時代の転換点』(麗澤大学教授・八木秀次氏)、(2022/7/1)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220701-EGB5UOGZXFIRVNYIZ5AZ7QIYVE/

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