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【安倍氏への評価、中国】

安倍氏に対する相反する評価.
 安倍晋三・元首相の暗殺事件は、国際社会に衝撃を与えた。だが、中国人の反応は複雑だ。
 中国当局も外交儀礼を尽くし、習近平・国家主席や李克強・首相が、哀悼の意を表する弔電を打ってきた。
 中国の主流メディアも安倍氏について、「国際的な場に於ける日本の役割を刷新し、日本の外交政策の新たな一章を開いた」、と客観的に評価している。
 一方、タカ派の論調で知られる共産党系の環球時報(英語版)は、「日本の右翼勢力が、暗殺事件を利用して“安倍路線”を強める」、との警戒感を顕わにした。
 中国政府は、安倍氏が中国との関係改善に力を尽くした事を評価する一方で、警戒感も解かなかった。

 安倍氏は昨年8月15日、靖国神社を参拝したが、中国外務省は、「日本の一部政界要人の行為は歴史と正義への冒涜」、などと指弾した。
 更に同年12月、安倍氏が「台湾有事は日本有事」と発言すると、中国共産党は逆上し、国営新華社通信は安倍・元首相について、「祖父の岸信介氏は第二次世界大戦のA級戦犯で、傀儡の偽満州国を作り操った。戦後も『親台反共』政策を進めた岸氏の影響を、安倍氏は深く受けていると非難した。
 今年5月、東京で日米豪印4ヶ国(クアッド)首脳会合が開かれた際に新華社は、「米国の先兵に甘んじる日本は実に悲しむべきだ」と強調。

銃撃事件の「便乗セール」も.
 中国メディアは、「中国のネット上で安倍氏に対する見方は2つある」と解説する。
 一つは、「安倍氏は右翼政治家ではあるが、在任期間中は日中関係の改善に貢献したと考え、彼の暗殺を悲しむ声」。

 もう一つは「決して好意的でない声」だ。
 「悪には悪の報いありだ」、などと喜ぶ声が少なくなかった。犯人を英雄視し、「中国の歴史にも記載されるべきだ」、と称賛する声もある。
 銃撃事件に乗じて「セール」を行う店まで出現した。「日本の安倍晋三・元首相が銃殺された。慶祝しよう。今日は購入100元(約2,000円)あたり8・8元を還元します。」
 銃撃事件の前日には、日中戦争の発端となった1937年の盧溝橋(ろこうきょう)事件から85年の記念式典が行われていた。
 盧溝橋事件は『七七事変』と呼ばれ、毎年7月7日の前後は中国人の反日意識が強まる時期でもある。
 「故人を敬えという声もあるが、きのう七七事変を記念した事を忘れたのか? 侵略戦争と南京大虐殺で犠牲になった数百万 (?)の同胞に代わって悪人を許す資格は我々にない! 国の恥辱を忘れるな!」
 上海のインターネット・メディア『澎湃(ほうはい)新聞』は銃撃事件後、日本在住の中国人女性が安倍氏の実績を解説したが、悲しみが高じて声がつまり涙声になってしまった。中国のネットユーザーは、「お前は七七事変の際に哀悼の意を示したのか?」、などと彼女を攻撃した。

 こうした中国の民族主義者の言動について、安倍氏を冒涜するものだと怒る日本人も多いだろう。
 しかし、安倍氏の功績に影を落とすものでは決してなく、むしろ政治家としての勲章といえよう。安倍氏は日本の名誉や安全を守るために矢面に立って中国と対峙してきた。この結果、時に中国当局による反日宣伝の標的となり、一部民衆の呪詛(じゅそ)を一身に受ける立場となってしまったのだ。

『反習近平派』が拳銃を違法所持.
 ところで、安倍氏の銃撃事件が、習近平国家主席を震撼させたかも知れない。
 元公安省次官の孫力軍氏が、22年1月に孫氏が起訴され、収賄などに加えて銃器不法所持罪にも問われた。
 孫氏は、習政権から『反習近平グループ』の一人として睨まれていた。
 孫氏が習氏の暗殺を企図していたと考えるのは短絡的過ぎるかも知れない。
 しかし、反腐敗闘争で多くの党幹部を失脚させた習氏の敵は多く、過去には暗殺未遂事件も取沙汰された。『反習派』が拳銃を調達できる現状がある以上、習氏の不安は小さくないだろう。

●「悪には悪の報いあり」、と言うが品がない。また“悪人”と決めつける根拠がいい加減で恣意的。


★産経ニュース『【中国的核心】中国ネットの銃撃 「歓喜」は安倍氏の勲章』(2022/7/13)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220713-DS2O6PSNS5LLBGVK6QUPGPYA5I/

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