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【衰退傾向にある中国】

 『独裁強国』路線をひた走る中国ではあるが、習近平体制を支える筈の経済が、危険な程に減速している。
 「劇的な成長ピークを迎えた新興大国が、一転して減速に苦しむと、他国に攻撃的になる」、との米戦略家の見通しが現実味を帯びてくる。
 米国主導の国際秩序を打倒する意志を持ちながら、他方で中華経済圏構想『一帯一路』への資金提供が停滞し、『ゼロコロナ』政策により経済環境は揺らいでおり、ロシアへの“制限なし”の支援は、最大の貿易相手である欧州での地位を失いつつある。

中国、『強硬と柔和』相反する顔.
 最近、中国の要人2人がアジアと欧州で見せた発言と行動が、『双頭の竜』のように強硬と柔和の相反する顔を象徴している。
 シンガポールで見せた魏鳳和(ぎ・ほうわ)国防相の強面と、呉紅波(ご・こうは)欧州問題担当特別代表の穏健外交である。

 魏・国防相は、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で、「もし台湾を引き離そうとする勢力がいれば、どんな犠牲を払ってでも戦争を躊躇しない。代価を惜しまず最後まで戦う」、と強い口調での演説。
 一方、呉・特別代表は、フランス・ドイツ・ベルギーなど欧州7ヶ国を歴訪し、新型コロナの対処で見せた、中国の傲慢な対応が“誤り”であった事を認め、欧州にとって中国が好ましいパートナーである事を印象づけようとしている。

 この背景にあるのは、習主席が掲げる『中華民族の夢』に至る原動力が失速してきた事と無縁ではない。
 中国経済がピークを迎え、成長率は2007年の14%から2019年には6%に低下し、2021年にやや持ち直したものの、2022年は習主席が掲げる5・5%の成長目標は達成できず、米国よりも鈍化するとの見通し。
 ウクライナ侵略戦争に伴うエネルギー、商品価格の高騰など、経済の下振れ圧力が止まらない。そしてゼロコロナ政策に伴う経済都市・上海の封鎖などが重なり、中国衰退の足音は高くなるばかりである。

 ピークを迎えた新興大国は、衰退への危機感から現状を打破しようと大胆な行動に出る可能性が指摘されている。

●最近の、台湾を取り囲む地域での中国軍の軍事演習=台湾への威嚇。 「台湾有事は日本の有事」、との故安倍氏の言が重いと同時に、『中国衰退』との趣旨の当記事に若干の安堵。


★産経ニュース『【湯浅博の世界読解】中国衰退の足音が聞こえる』(2022/7/1)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/article/20220701-2O4ZMHYD65IMBIRYWIORMUMHBQ/

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