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【ツィッターで外交、そりゃないでしょう】

 トランプ大統領がツィッターで呟き、翌日、板門店で金正恩・委員長と対面。一見、非核化交渉の停滞が劇的に打開されたかの様に見えるが、専門家達は揃って、トランプ氏のツィッター外交に警鐘を鳴らしている。

●外交ジャーナリストの手嶋龍一氏は、「トランプ氏は、国務省やホワイトハウスの外交・安保チームを脇に追いやり、交渉を自らが取り仕切るためにSNSを使っている。一般に公開されるSNSでは改変・成り済ましのリスクがある。外交上の遣り取りは外交電でするのが常道」、と批判。
●元外務事務次官の藪中三十二氏は、「今回の出来事は外交とは言えない。首脳会談には具体的な目的があるものだが、トランプ大統領には目的意識が見られず、『世間を驚かせよう』というだけ」、と切って捨てる。
 氏は続ける、「恐らくトランプ氏には、交渉をどう着地させるかの出口戦略すらない。彼は米朝合意の実行が極めて難しいと自覚しており、『時々金氏と会って話題作りが出来ればよい』、としか考えてないのではないか。金氏をホワイトハウスに招待すると述べたのも、話題作りの布石だろう。」
●国際ジャーナリストの春名幹男氏は、「首脳会談で得をしたのは明らかに金氏。トランプ氏の求めに応じて金氏は会ってやった。トランプ氏は感謝の余り、非核化へのプレッシャーをかけた様子が見られない」、と分析。
●朝日新聞の牧野愛博・編集委員は、「金氏に非核化という選択肢はない。現体制維持のため、多少の譲歩を見せながら、交渉を引き延ばしにかかるだろう。その譲歩に対してトランプ氏は、功名心やら選挙対策で飛び付いてしまうかも知れない。飛び付いた結果、逆に支持率が下がってしまった場合、支持率回復のため、北朝鮮への武力攻撃に踏み切るかも知れない。何れにせよ、日本の安全保障を脅かしかねない」、と危惧。

 『トランプ・ファースト』の暴走を許してはならない。

★「週刊文春」(7/11号)、『金正恩延命に助け舟 トランプSNS外交はこんなに危ない』より.

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