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【「重要な隣国」ではなくなった韓国(外交青書)】

 平成30年版「外交青書」の韓国に関する記述で、29年版まであった、「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」との枕詞(まくらことば)が削除され、“格下げ”となった。
 外交青書では、日本との関係性を端的に表した枕詞を付すことが多い。その変遷を見ると、対象国との距離感が浮かび上がってくる。

枕詞の変化激しい韓国.
 韓国に付する枕詞はここ数年、下落が激しい。
●26年版は次の通りだった、「自由、民主主義、基本的人権などの基本的な価値と、地域の平和と安定の確保などの利益を共有する、日本にとって最も重要な隣国」。この表現は「価値の共有」、「利益の共有」、「最も重要」の3要素で構成されている。
●27年版は「最も重要な隣国」だけになり、価値と利益の共有が消えた。産経新聞ソウル支局長を長期間に亘って出国禁止するなど、民主国家とは言い難い朴槿恵(パク・クネ)政権(当時)の対応を受けた措置。
●28年版は、「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」となった。
●29年版も前年同様。
●30年版は、3要素全てが消えた。価値観も違い、共通利益もなく、関係が重要でもない、とは言わないまでも、突き放すニュアンスが漂う。

「共通の利益」は共有できる中国、ロシア.
 中国とロシアは日本と政治体制が異なり、自由や民主主義、基本的人権などの「価値を共有」とは言えないが、「共通の利益」を追求するウィンウィンの関係を構築することは不可能ではないとしている。

格上げ続きのオーストラリア、インド.
 オーストラリアとインドは、元より、日本と「基本的価値を共有」する関係にある。両国は日本が進める「自由で開かれたインド太平洋戦略」の中核パートナーであり、近年では、安全保障など「戦略的な利益の共有」も強調するようになってきた。

国交なくても「大切な友人」台湾.
 素っ気ない書きぶりから親しみの籠もった表現へ、と変化したのが台湾。
 昭和47年の日中国交正常化で、日本が中国を「唯一の合法政府」と承認したのに伴い、日台は断交。以降、日本政府は台湾を「地域」として扱い、交流は民間団体を窓口に行われている。
 過去、台湾に付する枕詞は、「緊密な経済関係を有する重要な地域」という、貿易相手としての重要性を記しただけだった。
 ところが28年版は、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーであり、大切な友人である」となった。
 「大切な友人」との表現は、他の国には見られない。首相のフェイスブックや演説で用いた言葉を反映したと見られる。東日本大震災で200億円を超える義援金を寄せてくれた台湾に対し、感謝と配慮を示したものと言えよう。


外交青書とは.
 前年1年間の国際情勢と日本外交を巡る出来事を詳述した外務省の年次報告書で、昭和32年から毎年、発行されている。表紙が青いことから「青書」と呼ばれる。日本政府の外交方針をテーマ毎に解説しているほか、地域・国ごとに要人の往来などを網羅的に記録している。平成30年版は、7月頃から市販予定。


★産経ニュース『【外交安保取材】韓国は「重要な隣国」消えた!! ついに「格下げ」…外交青書が映す他国との関係性』(2018.6.1)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/premium/news/180601/prm1806010005-n1.html

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