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【米朝首脳会談、決裂】

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、「制裁解除」ありきでトランプ米大統領との2回目の首脳会談に臨んだ。会談でトランプ氏が下したのは、「北朝鮮は準備ができていなかった」として合意を見送る、との結論だった。
 金氏が、通常、事前に行われるべき十分な実務者協議を抜きにして、トランプ氏の決断に全てを委ねる賭けに出た事が裏目に出てしまった。今回の会談失敗は、金氏にとって最高指導者就任以来の重大危機ともいえそうだ。

 金氏は今年1月の新年の辞で、「米国が一方的に、何かを強要しようとして制裁と圧迫に出るなら、新たな道を模索せざるを得なくなる」と警告し、飽くまで制裁解除ありきの交渉を米側に迫った。同時に『人民生活の向上』を第一目標に掲げており、経済を圧迫する制裁は体制の将来を左右し兼ねない死活問題だ。
 米側が求める実務者協議には応じようとせず、議題の本格協議に入った時には会談まで1週間を切っていた。その事は、非核化と制裁に関わる重大事項はトップ同士の直談判で決める、とのメッセージだった。だが、トランプ氏は会談本番で首を縦に振らなかった。
 前記の新年の辞で、金氏は米側に制裁の撤回を突き付けたが、これは謂わば、国民に対する最高指導者の公約であり、金氏にとって制裁問題での譲歩は難しかった。金氏は退路を断つ交渉戦術、謂わば『背水の陣』で自らを窮地に追い込んでしまった。


 米朝首脳会談での成果を、両国の仲介役として期待していた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、“楽観から180度反対の結果”となった米朝首脳会談の決裂に、落胆の色を隠せない様子。
 南北交流を進める文政権は、経済協力事業である北朝鮮の開城(ケソン)工業団地の再稼働や、金剛山観光事業の再開などを構想していたし、また、朝鮮戦争『終戦宣言』への期待も強かった。
 米朝首脳会談が決裂した結果、韓国の期待は完全に霧散してしまった。金委員長の“早い時期のソウル訪問”の見通しも一層不透明になってしまった。
 文氏を支持する政策のトップは、南北関係改善や対北政策だが、北朝鮮を巡る情勢が後退した今、経済政策などで国民の批判を受ける文政権に、微妙な影響を及ぼす可能性が出て来た。

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 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄で、マレーシアで暗殺された金正男(キム・ジョンナム)氏の息子・金ハンソル氏らを救援したとする団体が昨日(3/1)、住民を迫害する金正恩体制を覆すための「臨時政府」を発足させた。拠点は不明。
 物別れに終わった米朝首脳再会談の直後の3/1に発表し、国際的な注目を集めようとしたと見られる。(産経ニュース・電子版)

 以前、【金正恩/甥のリベンジ/待つ身かな】(2017/10/16) なるブログを記したが、現実味を帯びてきた?

★産経ニュース『【米朝首脳会談】トップダウン戦略が裏目…正恩氏、最大の危機に』(2019.2.28)
★上記へのリンク https://www.sankei.com/world/news/190228/wor1902280066-n1.html

★産経ニュース『【米朝首脳会談】韓国、楽観から落胆へ…南北経済協力、完全に霧散』(2019.2.28)
★上記へのリンク https://www.sankei.com/world/news/190228/wor1902280085-n1.html
より.


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