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【進まない「非核化」】

 今年4月末には南北首脳会談が、6月には米朝首脳会談が行われ、朝鮮半島の非核化が合意された。
 しかし非核化が、うまく進んでいる訳ではない。

終戦宣言を優先する北朝鮮.
 米朝首脳会談の翌月(7月)、ポンペオ国務長官らが訪朝し、非核化交渉の開始を促した。
 しかし、北朝鮮は交渉に応じないばかりか、「北朝鮮の関心は、朝鮮戦争の終戦宣言など平和体制の構築にある」、と白々しく表明。
 北朝鮮は、「.朝鮮戦争の終戦宣言を優先して戦争状態を終結させ、終戦に伴って在韓米軍の駐留意義がなくなる。これらが実現しない限り、非核化交渉には応じられない」とのこと。

 一方アメリカは、.終戦宣言をすると、却って戦争の抑止が危うくなるし、非核化交渉の動機が低下するので時期尚早である」、としている。

「核保有大国」の認知が目標.
 そもそも、北朝鮮が核・弾道ミサイルの開発を進めた最初の動機は、在韓米軍に配備された戦術核であった。
 その後、核は撤去されたが、韓国に於ける非核化(核の再配備をしない等)が実現しない限り、政権の維持に不安があるとして、北朝鮮は非核化の保証を求めている。
 北朝鮮は、これを実現するために核政策を発展させ、老朽化した核やミサイルの関連施設は廃棄するが、核物質やミサイルの増産・配備は進め、「核保有大国」と認知される国家になるのを目標にしている。
 これが北朝鮮の求める非核化であり、北朝鮮が核・ミサイルを完全に廃棄・放棄する事ではない。

「騙す」が国是?
 北朝鮮の核・ミサイル開発は国連安保理決議違反であり、南北非核化共同宣言にも違反している。
 最近アメリカで、北朝鮮が新たに1~2発の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を製造している兆候が指摘された。
 「完全非核化」で合意した6月の米朝首脳会談以降、北朝鮮が新たなミサイルを製造している疑いが発覚するのは初めて。

 米情報当局者は、北朝鮮が「非核化」の約束を反故にし、保有する核弾頭と弾道ミサイルの正確な数を隠蔽し、約20発の核弾頭を廃棄して「完全核放棄した」と主張しつつ、残る数十発の核弾頭の温存を目指している、と分析。
 米朝首脳会談の共同声明では、弾道ミサイルの扱いについては明示されておらず、北朝鮮がこれに乗じ、非核化交渉で弾道ミサイル放棄を正式要求される前に、ミサイル開発を加速化させている恐れがある。

●相変わらず、国際社会を騙しての「我田引水」也。


★産経ニュース『【正論】なぜ北の非核化は進まないのか』(拓殖大学総長・森本敏氏)、(2018.7.31)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/column/news/180731/clm1807310004-n1.html

★産経ニュース『北朝鮮が新たにICBMを製造疑惑 「6・12」後初発覚 米紙報道』(2018.7.31)、
★上記へのリンク https://www.sankei.com/world/news/180731/wor1807310013-n1.html
より.

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