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【ロシアによる、ハイブリッド攻撃】

ハイブリッド攻撃.
 ロシアによる、選挙干渉やサイバー攻撃などを組み合わせた「ハイブリッド攻撃」、の脅威が欧米などで広がっている。
 背景には、経済低迷などで強国としての存在を示せなくなりつつある、ロシアの「焦り」があると見られる。

 ロシアがハイブリッド攻撃を仕掛ける拠点(アジト)はモスクワの他、ジョージア、ラトビア、トルコの各首都に設置されていた。複数のアジトを設置したのは、攻撃の発信源を特定されないためだろう。
 各アジトには、ロシア情報機関・連邦保安局と関係あるハッカー集団・「コージーベア」などの人員が配置されており、最新のテクノロジーをうまく融合させ、ハイブリッド攻撃を効率的に行っている。攻撃は24時間態勢で仕掛けることも可能だとのこと。

拡大する「標的」.
 ロシアによるハイブリッド攻撃の代表的な例が、2016年の米大統領選で民主党候補だったクリントン元国務長官の陣営幹部らのメールが流出した問題だ。米情報機関は、ロシアがサイバー攻撃でメールを流出させたと見ている。
 それらアジトが標的にしているのは米国だけではない。2017年11月、英各紙は欧州連合(EU)離脱を選択した国民投票前に、ロシア政府との関連が疑われる数多くのツイッター・アカウントが、離脱への支持を呼び掛け、投票結果に影響を与えようとした疑いがあると報じた。ロシアの選挙干渉疑惑は、同年(2017年)4月の仏大統領選、同年10月のスペイン東部カタルーニャ自治州独立を巡る住民投票などでも浮上している。

 プーチン大統領はハイブリッド攻撃を否定しているが、欧州のセキュリティー専門家は、「ハイブリッド攻撃は、世界の人口の大半が使うツイッターなどのソーシャル・メディアが悪用されることが多く、影響力は凄まじい。国内政治の不安定化だけではなく、国際社会を混乱させるだけの威力があることを、プーチン大統領が知らない筈はない」と指摘する。
 在日英国大使館のサイバー問題担当者も、「ロシアは、情報による世論操作を兵器化しようとしている」、と危機感を露わにしている。

ハイブリッド攻撃の背景.
 背景には経済低迷などで、強国としての存在を示せなくなりつつあるロシアの「焦り」がある、とされている訳だが、ロシア経済はこのところ、原油価格の急落や、ウクライナ問題を巡る米欧との対立も影響して低迷に苦しんでいる。国内総生産(GDP)も伸び悩んでいる。
 ロシア情勢に詳しい未来工学研究所の小泉悠・特別研究員は、「経済低迷などで、世界に旧ソ連時代のような巨大な存在感を示せなくなっているロシアは、他国への影響力を強めるため、軍事力だけではなく、サイバー攻撃や選挙干渉を強化せざるを得なかった」、と分析する。
 ロシアが存在感を維持するため、今後もハイブリッド攻撃の脅威は広がりそうだ。

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 以前、当ブログで、「ロシア・ゲート問題は実体なし」との記事(【トランプ大統領、ロシア疑惑の真実】(2018/07/31))を紹介したが、この度の記事を見るにその時の、納得した信念が揺らでいる。


★産経ニュース『【サイバー潮流】標的は米だけじゃない 巧妙さ増すロシアのハイブリッド攻撃、その狙いは?』(2018.8.10)、より.
★上記へのリンク http://www.sankei.com/premium/news/180809/prm1808090007-n1.html

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