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【米中貿易戦争、中国の勝ち目なし】

 今年春に始まった米中貿易戦争では、既に中国経済にダメージが出始めている。「中国に勝ち目はない、早く失敗を認めて事態を収束すべきだ」、との厳しい見方が中国国内で燻っている。

 中国商務省は今年3月、米国による鉄鋼・アルミ製品への追加関税措置への報復として、128品目の米国製品に対して追加関税を課す、と発表して問題がエスカレートした。
 しかし、対米輸出に依存している中国経済が、米国と全面対決することは「無謀な戦い」、と見る投資家も少なくなく、中国の金融マーケットは敏感に反応した。
 株式市場では3,300ポイント前後だった上海総合指数が、報復措置を講じた3月末から下落し、8月中旬には2,600ポイントと約20%も下げた。
 人民元の為替相場も対ドルで10%近く急落した。中国は近年、経済成長率が前年比6~7%で推移しているが、為替相場が下落すれば輸入コストが大幅アップするなど、成長率を押し下げる要因になってしまう。
 広東省や上海周辺では、米国からの発注激減に伴い、生産停止に追い込まれる工場も出てきた。
 中国は報復措置として、米国産大豆にも高い関税を課したが、中国国内の家畜飼料は米国産大豆に依存しているため、飼料のコストが増大してしまった。そのため、北京など都市部の豚肉の価格が高騰し、市民生活にも大きな影響が出始めている。

 一方で、中国が追加関税を課す米国製品は、農業分野に集中していることもあり、貿易戦争が米国経済に与える影響は、今のところ限定的。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、むしろ5%前後上昇している。
 中国の著名な経済評論家である賀江兵氏は、米中貿易戦争について、「勝ち目がない」と強調した上で、「今の状態が今後2カ月以上も続くと、中国の経済は壊滅状態に突入する」と指摘し、中国当局に早期解決を訴えている。

 「中華民族の偉大なる復興」、とのスローガンを掲げ、経済規模で米国を追い越すことを夢みる習政権にとって、打撃は大きい。


★産経ニュース『【米中貿易戦争】中国の経済学者「勝ち目なく壊滅的」 金融市場は「無謀な戦い」』(2018.8.19)、より.
★上記へのリンク https://www.sankei.com/world/news/180819/wor1808190011-n1.html

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